劇場版 ナオト、いまもひとりっきり

げきじょうばんなおといまもひとりっきり
上映日
2023年2月25日

製作国
日本

制作年
2023
上映時間
106分

ジャンル
社会派

check解説

2011年の福島第一原子力発電所事故により全町避難になった福島県富岡町に動物たちと残り続ける松村直登を追ったドキュメンタリーの続編。震災から10年、コロナ下での五輪、形ばかりの町の再建など、矛盾の渦中にある地で暮らす彼を通し、日本の今を考える。前作から続き中村真夕が監督。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 脚本家、映画監督
    井上淳一
    ダメと思ったらいつでも全部殺処分しますからと農水省が簡単に言う。だからナオトは残された生き物の面倒をひとりみる。自分も原発に関わった。その贖罪もあるのか。8年に... もっと見る
  • 日本経済新聞編集委員
    古賀重樹
    松村直登さんはなぜ今も一人で富岡町にいるのか? 我がことのように考えさせられた。誰に求められているのでもない。自分の意志でそこにいる。震災直後に目の前の動物たち... もっと見る
  • 映画評論家
    服部香穂里
    原発事故を機に生まれた根拠の乏しい膨大な造語の矛盾を、“警戒区域”にはじまりコロコロ形容が変わる富岡町で、見捨てられた動物を世話して独り... もっと見る

「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」のストーリー

福島第一原発から12キロのところにある富岡町。かつては農閑期には関東に出稼ぎに行かなければ生活ができないような貧しい農村だったが、1960年代末から始まった福島第一、第二原発の建設により町は潤い、豊かな生活ができるようになった。しかし2011年、福島第一原発の事故による全町避難で、町は無人地帯となった。ナオトはそんな富岡町にいまも一人で暮らしている。高度経済成長の裏側でカネに翻弄され続ける人生を送ってきたナオトは、原発事故後、人の人生を金で解決しようとする不条理や命を簡単に処分しようとする理不尽さに納得できず、この地に残された動物たちの世話を始めた。震災から10年、ナオトは動物たちに餌をやる日々を送り続けている。将来の糧のためにニワトリを飼い、ミツバチを育てはじめ、新たな命が生まれたり消えたりしていった。2017年には町の一部が帰還宣言をしたが、若い人たちは戻らない。2020年、“復興五輪”を掲げる東京オリンピックに向けて帰還困難区域にある夜ノ森駅が再建され、駅に行く道だけが開通された。しかし新型コロナウィルスの流行によりオリンピックは1年延期され、翌年、コロナ禍に翻弄されながら“復興五輪”のPRとして誰もいない福島の通りを聖火リレーが走った。原発問題には終わりがなく、汚染水は増えるばかり。それなのに全国で原発再稼働の動きが進められようとしている。そんな日本の矛盾の渦中にあるこの地で動物たちと暮らすナオトの生き方を通じ、日本の今を考える。

「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」の映像

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スタッフ
キャスト役名

「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」のスペック

基本情報
ジャンル 社会派
製作国 日本
製作年 2023
公開年月日 2023年2月25日
上映時間 106分
製作会社 Omphalos Pictures=Siglo
配給 Omphalos Pictures=シグロ(配給協力:ALFAZBET)
アスペクト比 16:9
カラー/サイズ カラー
公式サイト http://aloneinfukushima.jp/

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