解説
「A」「FAKE」のドキュメンタリー監督・森達也による、関東大震災直後に起きた福田村事件を基にした群像劇。未曽有の大地震後、朝鮮人が襲ってくる等の流言飛語が飛び交い緊張が走る中、香川から福田村に来た行商団が朝鮮人と疑われ殺害される惨劇が起きる。森監督初めての劇映画となる。「火口のふたり」などを手がけてきた荒井晴彦が企画、脚本にも参加している。他、「誰がために憲法はある」の井上淳一監督、「スクール・ウォーズ HERO」の脚本家・佐伯俊道が脚本を担当。出演は、「こちらあみ子」の井浦新、「幼な子われらに生まれ」の田中麗奈、「怪物」の永山瑛太ほか。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
-
文筆家和泉萌香村の人々、新聞記者たち、行商人の一行、各集まりの中での人間の差──男と女の差であったり、着物を着る者と軍服の者、上司と部下、だったり──そして自分たちよりも下の... もっと見る
-
フランス文学者谷昌親関東大震災から100年目の年に向けて、こうした映画が撮られたことに対し、心からの敬意を送りたいし、ひとりでも多くの人に観てもらいたい作品だと思う。事実を丹念に調... もっと見る
-
映画評論家吉田広明確認を待て、日本人だったら人殺しになってしまうという村長に瑛太が言う「鮮人なら人殺しにならないのか」という台詞が肝である。良識派の中にもある無意識的な差別意識。... もっと見る
「福田村事件」のストーリー
民主主義や自由主義を求める大正デモクラシーの喧騒の裏で、報道はこぞって政府の失政を隠すように社会主義者や朝鮮人を槍玉にあげ世論を煽り、市民の不安と恐怖は徐々に高まっていた。日本統治下の京城で教師をしていた澤田智一(井浦新)は朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃し、妻の静子(田中麗奈)を連れて故郷の千葉県東葛飾郡福田村に帰ってくる。一方その頃沼部新助(永山瑛太)率いる香川を拠点にした薬売りの行商団は、関東地方に向け出発。9月1日、関東大地震が発生。激しい揺れが関東地方を襲い、木々は倒れ、家は倒壊。さらに大規模火災が発生し、多くの命が失われた。いつしか流言飛語が飛び交うようになり、瞬く間に関東近縁の町や村に伝わっていき、不安と恐怖が錯綜。2日には東京府下に戒厳令が施行され、3日には神奈川に、4日には福田村がある千葉にも拡大。福田村にも、朝鮮人が集団で襲ってくる、朝鮮人が略奪や放火をした、といった情報が避難民からもたらされ、人々は不安感から浮足立つように。情報の真偽を確かめようと躍起になる地元の新聞社だったが、実体を掴もうにも掴み所がない。一方亀戸署では、震災後の混乱に乗じて、社会主義者を密かに弾圧。人々の間で不安や恐怖心が膨れ上がっていく中、地震発生から5日後の9月6日、福田村で大事件が起きる。
「福田村事件」の映像
「福田村事件」の写真
「福田村事件」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「福田村事件」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 社会派 歴史劇 ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2023年9月1日 |
上映時間 | 137分 |
製作会社 | 「福田村事件」プロジェクト(テンカラット=カタログハウス=辻野弥生=ピカンテサーカス=MBS=ドッグシュガー=太秦)(製作プロダクション:ドッグシュガー) |
配給 | 太秦 |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://www.fukudamura1923.jp/ |
コピーライト | (C)「福田村事件」プロジェクト 2023 |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2023年9月号 |
巻頭特集 わたしたちの好きなそれぞれの、さまざまな映画ベスト5 PARTⅡ 新作がたのしみな監督たちにとって大切な、5本の映画 森達也監督「福田村事件」 実録映画ベスト5 REVIEW 日本映画&外国映画 「福田村事件」 UPCOMING 新作紹介 「福田村事件」 |