35年目のラブレターの映画専門家レビュー一覧

35年目のラブレター

60代から夜間中学に通い読み書きを学んだ男性の実話を、落語家・笑福亭鶴瓶の主演で映画化した人間ドラマ。文字の読み書きができない西畑保は、どんな時も寄り添い支えてくれた妻・皎子へ感謝のラブレターを書きたいとの思いから、夜間中学に通い始める。監督は、「今日も嫌がらせ弁当」やドラマ『ドラゴン桜』など数々の作品を手がけてきた塚本連平。西畑保を笑福亭鶴瓶が、妻の皎子を『あなたの番です』の原田知世が演じ、青年期の西畑保をアイドルグループWEST.の重岡大毅が、皎子を「夜明けのすべて」の上白石萌音が演じる。
  • 映画評論家

    上島春彦

    実話由来とはいえ脚本家のやりたかったのは途中で夫婦のラブレターの意味が攻守交替する場面からだな。実際「やられた感」のきわめて高い脚本であり私もいわゆる涙腺崩壊。また今ではほとんど現物を見ることもない高機能タイプライターの彫りの深い筆圧がパソコンとは違った味わい深い細部を醸し出す。この仕掛けを思いついたとき、監督は勝利を確信したに違いない。シャレばっかり言ってる台詞も効果的。主人公夫婦を演ずる4人もいいし徳永えり、江口のりこ、安田顕の好助演も光る。

  • ライター、編集

    川口ミリ

    悪くない瞬間もある。冒頭、笑福亭鶴瓶が横で眠る原田知世をいとおしそうにじいっと見つめる。と突然、原田が「なんなん!?」と寝言。鶴瓶が「どんな夢や」と突っ込む。長年連れ添ってきた夫婦の関係性がスマートに伝わる、微笑ましい切り返しだ。若い頃を演じた重岡と上白石もチャーミング。しかし映像のリズムが喜劇寄りの作品にしては単調だし、特に夜間中学の群像シーンの見せ方が通り一遍。そもそも鶴瓶と原田という、男性がかなり歳上のペアを夫婦役に起用するのも古く、ややうんざりした。

  • 映画評論家

    北川れい子

    どの夫婦にも歴史あり。映画化されたこの夫婦の実話はすでに知ってはいたが、読み書きができない悔しさ、不自由さを含め、過去、現在のエピソードがかなり淡々としていて、安心して観ていられる分、映画としてはいささか単調過ぎる。ま、実話だけにわざとらしいヤラセ話はムリとしても、どこかにガツンとくる場面が欲しかった。とはいえ鶴瓶と原田知世の夫婦役は大いに新鮮でベタベタしていないのもいい感じ。鶴瓶が通う夜間中学の先生役・安田顯も頼もしい。

  • 映画評論家

    上島春彦

    実話由来とはいえ脚本家のやりたかったのは途中で夫婦のラブレターの意味が攻守交替する場面からだな。実際「やられた感」のきわめて高い脚本であり私もいわゆる涙腺崩壊。また今ではほとんど現物を見ることもない高機能タイプライターの彫りの深い筆圧がパソコンとは違った味わい深い細部を醸し出す。この仕掛けを思いついたとき、監督は勝利を確信したに違いない。シャレばっかり言ってる台詞も効果的。主人公夫婦を演ずる4人もいいし徳永えり、江口のりこ、安田顕の好助演も光る。

  • ライター、編集

    川口ミリ

    悪くない瞬間もある。冒頭、笑福亭鶴瓶が横で眠る原田知世をいとおしそうにじいっと見つめる。と突然、原田が「なんなん!?」と寝言。鶴瓶が「どんな夢や」と突っ込む。長年連れ添ってきた夫婦の関係性がスマートに伝わる、微笑ましい切り返しだ。若い頃を演じた重岡と上白石もチャーミング。しかし映像のリズムが喜劇寄りの作品にしては単調だし、特に夜間中学の群像シーンの見せ方が通り一遍。そもそも鶴瓶と原田という、男性がかなり歳上のペアを夫婦役に起用するのも古く、ややうんざりした。

  • 映画評論家

    北川れい子

    どの夫婦にも歴史あり。映画化されたこの夫婦の実話はすでに知ってはいたが、読み書きができない悔しさ、不自由さを含め、過去、現在のエピソードがかなり淡々としていて、安心して観ていられる分、映画としてはいささか単調過ぎる。ま、実話だけにわざとらしいヤラセ話はムリとしても、どこかにガツンとくる場面が欲しかった。とはいえ鶴瓶と原田知世の夫婦役は大いに新鮮でベタベタしていないのもいい感じ。鶴瓶が通う夜間中学の先生役・安田顯も頼もしい。

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