映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年の映画専門家レビュー一覧
映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年
1986年に原作漫画が連載開始し、1990年からはテレビアニメの放映がスタート、長きにわたり愛され続けてきた『ちびまる子ちゃん』の、1992年「わたしの好きな歌」以来となる劇場版。主人公の小学生・ちびまる子ちゃんことさくらももこが住む静岡県清水の町に海外からやってきた子どもたちとの交流や初めての大阪・京都への旅行の様子を描いていく。原作者のさくらももこが脚本を手がけている。テレビシリーズ第2期の監督を務める高木淳がメガホンを取る。アニメーション制作は『世界名作劇場』シリーズの日本アニメーション。同作品テレビアニメ25周年記念作品。
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映画評論家
上島春彦
面白いのだが、さすがに劇場で見るには物足りない。アニメ好きとしてはね。まる子ファンならこれで十分なのか。七〇年代日本が舞台ということで一時期私も原作にのめり込んだクチである。ここでも大阪芸人の場面や電話の扱いがそういう趣向。でもそれ以上じゃない。センスを感じさせるのは音楽で、最初と最後はもちろん中間部のも良い。大原櫻子ファンにはたまらないであろう。懐メロとか他に使えたらもっと良かったのかも。でも外国人が言うほど日本はたいした国じゃない、今も昔も。
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映画評論家
北川れい子
テレビアニメ版はまったく見ないのに久しぶりという気がしないのが不思議。シンプルな絵とキャラクターが記憶の邪魔にならないからだろう。トゲトゲしたものやイジワルが一切ないのも、ちびまる子ちゃんの世界ならではで、ちょっとゆるめのテンポも心地よい。まる子の友だちや、外国からやってきた子どもたちのキャラの違いも面白く、大阪、京都の旅も楽しくほほえましい。終盤の灯籠流しや花火のシーンが実写以上に情感豊かなのは、絵と脚本が純真だからだ。まる子ちゃん、バンザイ!!
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映画評論家
モルモット吉田
前作「わたしの好きな歌」は今も繰り返し観る傑作なので期待値が高まりすぎたかも。まる子の大阪観光にお笑い好きの野口さんが帯同するとなれば濃いネタを期待したが、各国から来た同年代の子どもたちとの交流が主だけに、カウスボタン、仁鶴、寛平が登場するも顔見せ程度(芸人たちが登場するまで時代設定を忘れていたが)。この時期は寛平が唄った『ひらけ!チューリップ』がヒットして神代辰巳の同名題のロマンポルノまで作られただけに、あたしゃまる子に歌ってほしかったよ。
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