ディーン、君がいた瞬間(とき)の映画専門家レビュー一覧
ディーン、君がいた瞬間(とき)
24歳で早逝した俳優ジェームズ・ディーンと『LIFE』誌の天才写真家デニス・ストックの知られざる2週間の旅路を描いた伝記ドラマ。ジェームズ・ディーンを演じるのは「アメイジング・スパイダーマン2」のデイン・デハーン。デニス・ストック役には「トワイライト・サーガ」シリーズのロバート・パティンソンを起用。監督は「誰よりも狙われた男」のアントン・コービン。
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翻訳家
篠儀直子
D・デハーンの容貌はそんなにジミーに似ているわけではないが、視線の使い方やしゃべり方など、やり過ぎなくらい似せている。で、ジミーの人物像は、これまでの映画や書籍で語られている範囲を出ていない(これはこれで問題だが)から不明な点はないのだけれど、問題はデニス・ストックのほう。彼が自分の才能をどう考えていたのか、自分にいら立っていたのか環境にいら立っていたのかがわからないので、ジミーとの衝突も盛り上がらず、二人がお互いをどう変えたのかわたしはわからず。
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ライター
平田裕介
普段から、若返ったサム・ニールだと思っているデイン・デハーン。そのせいか、ジェームズ・ディーンには見えない。カメラマンで映画監督でもあるA・コービンが、後に不世出の俳優と名写真家となるふたりの邂逅に憧憬を抱いているのは強く伝わるし、その瞬間を俗っぽくせずピュアに完全再現したいのも理解できる。だが、ほんとに切り取っただけなので両者を知らぬ者には、この2週間がどれだけ凄いのかはわからない。だからといって変にBLっぽくされても困るし、難しいところ。
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TVプロデューサー
山口剛
「エデンの東」を撮り終えたばかりの未だ無名のディーンが、ニコラス・レイのパーティで、写真家デニスと出会うシーンから始る。アメリカ映画のファンには、まさにたまらない瞬間だ。ピア・アンジェリ、ナタリー・ウッド、アーサー・キット、カザン、ワーナー社長、周囲を彩る人物には事欠かない。早世の天才が故郷イリノイでデニスと過したわずか数日の至福の時間がこの映画の全てだ。なんとも切ない。デハーンは芸術家の繊細さとカントリーボーイの不器用さを巧みに演じた。
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