スーサイド・スクワッドの映画専門家レビュー一覧
スーサイド・スクワッド
1930年代に始まるアメコミの元祖DCコミックスの原作を映画化。バットマンをはじめとするヒーローによって投獄されたヴィラン(悪役)たちが減刑を条件にチームを組み、世界崩壊の危機に立ち向かう。監督・脚本は、「フューリー」のデヴィッド・エアー。出演は、「フォーカス」のウィル・スミス、「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャレッド・レト、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のマーゴット・ロビー、「ラン・オールナイト」のジョエル・キナマン、「ブラックハット」のヴィオラ・デイヴィス。
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批評家。音楽レーベルHEADZ主宰
佐々木敦
DCとマーベルの区別も碌についてないので正直観るのが不安だったが、まったく問題ありませんでした。キャラは登場するごとにいちいちプロフが説明されるし、これまでのあらすじ的な前提もそつなく教えてくれる。よくわからないところも多少は残るが、ほとんど気にならない。後半、気合い入りまくりの視覚効果と怒濤のアクションで押しまくるが、最終的な落とし所として、まあ口実のようなものだとはいえ、家族と男女の純愛讃歌みたいになってしまうのはどうなんだろう。仕方ないのか。
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映画系文筆業
奈々村久生
ヒロインのハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーがとにかくキュート。といっても守ってあげたいお姫さまキャラではなく、ブロンドベースのカラフルなツインテールが似合う、モテを度外視した最高にクレイジーなポップアイコンだ。正直ここで何かを深く語るようなタイプの映画ではないがそれでまったく問題ない。個人的に期待していたカーラ・デルヴィーニュは運動量の少ないキャラクターに配置されていたため、劇中であまりその動的な活躍を見られなかったのが残念。
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TVプロデューサー
山口剛
デイヴィッド・エアーの「トレーニング・デイ」(脚本)や「エンド・オブ・ウォッチ」など大ファンなので期待したが、およそリアリティのない極悪どもを描き分けるのは彼の才を以てしても難しいのか、個性、魅力に欠ける。紅一点ハーレイ・クインも、浮き上がり気味で惹句にある「悪カワイ」さは感じられない。一同の立ち向かう「世界の危機」なるものが判然としないし、彼らの心の拠り所が家族愛というのもいささか陳腐。大作を撮る力量は判ったから、リアルで渋い次回作を期待!
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