ターザン REBORNの映画専門家レビュー一覧

ターザン REBORN

エドガー・ライス・バローズの冒険小説を「ハリー・ポッターと死の秘宝」のデイヴィッド・イエーツが2D/3Dで映画化。ジャングルで動物に育てられたターザンは、今は英国貴族として暮らしている。ある日彼は政府の命で故郷のジャングルに戻る。出演は、「バトルシップ」のアレクサンダー・スカルスガルド、「フォーカス」のマーゴット・ロビー、「ビッグ・アイズ」のクリストフ・ヴァルツ、「ヘイトフル・エイト」のサミュエル・L・ジャクソン。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    原作どおり教養ある文明人のターザンが、「ヘイトフル・エイト」から更生したみたいなサミュエル・L・ジャクソン(この役は実在の人物がモデルになっているらしい)とともに、残虐な圧政で歴史上悪名高いベルギー統治下のコンゴで冒険を繰り広げる。クライマックスはちょっと笑っちゃうくらいの壮観さ。しかし余計なお世話かもだが、今の時代にターザン映画を売ること自体が、そもそもかなりの難題なのではという気も。「ナッシュビル」等を製作したジェリー・ワイントローブの遺作。

  • 映画監督

    内藤誠

    ジョニー・ワイズミュラーのシリーズを見ては「ターザンごっこ」をしていた世代にとっては憂いある英国貴族のターザンとなると、まるで別作品だ。しかもここまでCG技術を駆使した映画を見たあとでは、声をはりあげて、真似するわけにもいかないだろう。シーンを追うごとに、CG画面はエスカレートして、野獣の群れが疾走する最終部になると、もう冗談の作り。一方、物語はシリアスで、奴隷売買やベルギー国王の愚挙を突き、クリストフ・ヴァルツの悪役など、子どもには怖すぎる。

  • ライター

    平田裕介

    燃えるわけでもなく、萎えるわけでもない、実に「ハリポタ」シリーズのD・イェーツらしい仕上がり。アフリカを蹂躙する欧米列強の批判も盛り込んでいるが、そのわりにはコンゴの各部族のセリフがほとんど英語だったりするのは引っ掛かる。とはいえ、「007 スペクター」よりもいきいきとした悪役ぶりを見せつけるC・ヴァルツは◎。人生で初遭遇する女が、まさかのM・ロビー。ひたすら体臭を嗅ぎ、あちこちを撫でまくり、股間に顔を突っ込もうとするターザンに激しくシンパシー。

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