信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)の映画専門家レビュー一覧
信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)
2014年にテレビドラマ化された石井あゆみ原作漫画の劇場版。タイムスリップしてしまった高校生サブローが、織田信長と入れ替わり戦国時代を生き抜いていく。安土城を築いたサブローは、“本能寺の変”が起きるその日が近付いていることに気付き……。
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映画評論家
上島春彦
有名俳優陣てんこ盛りで楽しめるのだが結局テレビですむでしょという感じになっちゃう。惜しい。わざわざ劇場版をやる以上、もっと映画的な趣向が欲しかった。二人の信長、という基本のアイデアはそれにうってつけだったはずなのだが、単なる辻つま合わせになってしまった。それと最大の不満は現代への戻り方。ネタバレで多くは書けないが。ウィリアム・アダムスが携帯を持って現れるあたりは面白い。SF映画の醍醐味だ。信長が自分の死に方を教科書で読まなかったのは何故だろう。
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映画評論家
北川れい子
ザックリ、パサパサ、味も塩っけもない電気紙芝居の戦国物ごっこ。固有名詞の連発と説明台詞で話を運ぶ脚本も乱暴だが、どの人物も切り紙人形のように薄っぺらで、俳優陣もみな上っ調子。リアルな演技禁止令でも出たのかも。原作漫画もアニメ、ドラマも知らないので、現代の高校生がタイムスリップして信長の身代りにという話の、どこがウケたのかこちらには不明だが、冒頭から仲間ウチ映画のノリ。安っぽくふざけたプラスチック映画など、時間のムダと外っぽを向くしかない。
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映画評論家
モルモット吉田
連ドラ版を観ていないので冒頭にダイジェストで説明してくれるのは有り難いが「SW」の様に中途から始まる魅力があるわけではなく、完結篇は映画という趣旨のみ。フザケた内容でも真剣に演じる小栗と山田があらゆる面で救いのような映画だが、信長として生きることになった現代の高校生が日本史に無知すぎて、タイムスリップの意味がなく、瓜二つの盗人(「影武者」)でも大差ない。喉を震わせて喋る柴咲のコントみたいな時代劇演技には驚いた。ま、ドラマが好きだった方はどうぞ。
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