モアナと伝説の海の映画専門家レビュー一覧

モアナと伝説の海

「リトル・マーメイド」「アラジン」のロン・クレメンツ&ジョン・マスカーが贈る、美しい南の海が舞台のディズニー・アニメーション。数々の伝説が残る島で生まれ育ち、ある体験から海と運命的な絆で結ばれた16歳の少女・モアナは、大海原へ冒険に旅立つ。声の出演は、新人のアウリィ・カルバーリョ、「ワイルド・スピード」シリーズのドウェイン・ジョンソン、「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」のテムエラ・モリソン、「クジラの島の少女」のレイチェル・ハウス、「メン・イン・ブラック3」のニコール・シャージンガー、「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」のジェマイン・クレメント、「ベイマックス」のアラン・テュディック。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    どうしたって邦題とテーマソングが「アナと雪の女王」を思い出させるわけだが(監督も作曲家も別ですが)、よりシンプルでストレートな設定によってわかりやすさが増している。ワガママでお調子者、でも心根は優しい半神半人のマウイの声を演じるドウェイン・ジョンソン(元ザ・ロック)がなかなか良い。しかし全体の構えとしては典型的なPC(ポリティカリー・コレクトネス)アニメであり、極めて表層的な人道的配慮の擬装を疑わざるを得ない部分も。これに限ったことではないが。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    バービー人形的な質感のキャラクターを人間として写しても違和感のないレベルにまでアニメの技術は進化している。それらは人工的なものの表現をより進化させスケールを広げてくれる。だが海とか大自然を相手にした世界観の場合、そのフォーマットのリアルさが逆にロケーションの作りもの感を際立たせ、何をどう楽しむべきか混乱してしまう。さらにドラマの骨子としてはモアナとマウイの二人芝居に近く、シンプルな話のはずなのに何を観ているのかよくわからなかった。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    族長の娘モアナはプリンセスだが、ロマンティックな夢見る乙女ではなく、冒険心に溢れた行動派と言うところが現代的。陽気なジャンヌ・ダルクだ。容貌魁偉な半神半人の巨漢マウイは愛嬌たっぷりでシェイクスピアのフォルスタッフを思わせる。二人の褐色の肌とポリネシアン的な愛すべき風貌が、世界は民族の壁を越えてひとつだと訴えているように思えてくる。映像は美しく、ミランダの曲は後世スタンダードとして残るような楽しいナンバー揃いでディズニーの楽しさを満喫した。

1 - 3件表示/全3件