黒崎くんの言いなりになんてならないの映画専門家レビュー一覧

黒崎くんの言いなりになんてならない

同名少女コミックを「銀の匙 Silver Spoon」の中島健人主演で映画化。親の転勤で寮生活を始めた女子高生・由宇。女生徒の憧れ“白王子”こと白河とひとつ屋根の下での毎日に心浮かれるも、そこには“黒悪魔”ことドSの黒崎も住んでいて……。監督は「この世で俺/僕だけ」の月川翔。共演は「バクマン」の小松菜奈、「Mr.マックスマン」の千葉雄大、「思い出のマーニー」の高月彩良、「劇場版 仮面ティーチャー」の岸優太。
  • 評論家

    上野昻志

    イヤー、カンシン、カンシン! プロデューサーは感心したろうが、そのぶん、こっちは寒心。なにせ省エネ映画も、ここまでやれば撮影日数も短縮、編集も楽チン、と製作側にはいいことずくめだものね。省エネで行くには、同じショットを使い回せばいいって、うまいこと考えたもんだ。もとが他愛のない話だから、そうなるって? だが、他愛ない話を工夫して他愛ある(!?)ようにするのが、映画屋じゃなかったのか、なんて言っても馬の耳に念仏だろうな。映画も舐められたものだ。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    あと十数年もしたら待ち受けていることかもしれないが、自分の娘がこんなしょーもなさげな男どもとねちょねちょしてたらガキも娘もまとめて張り倒す。が、まあ本作は並の下くらいの普通の映画。ヒッチコック映画や「紳士は金髪がお好き」などのように、アメリカ映画のクラシックに連綿と存在する、ブルネットとブロンドの女優二種をその性格分け(黒が隠微な情熱家、金がアマちゃんもしくはクールな打算家)とともに観て楽しむことを、現代日本男子でやったことは非常に興味深い。

  • 文筆業

    八幡橙

    「壁ドン」「顎クイ」をも超える、「耳?み」「首吸い」、さらには「混浴プレイ」と、過剰なまでの“エロキュン”を売りにした、定番の少女漫画原作モノ。「お前は俺の奴隷だ」と突如言い放たれ、出会い頭に無意味にキスされても「ええ~~っ!」と絶叫した上で結局喜ぶヒロインも、病的なまでにエラそうな男子=黒悪魔とやらも、一向に理解できぬまま本篇終了。一人一人の人物の背景や魅力を一切描かず、ただただエロキュン場面を羅列する。これは果たして映画なのだろうか? 本気で悩む。

1 - 3件表示/全3件