名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)の映画専門家レビュー一覧

名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)

「名探偵コナン」劇場版シリーズ第20作。機密データを狙うスパイが日本警察に侵入。それを契機に公安とFBI、コナンの体を小さくさせた犯罪組織“黒ずくめの組織”、そしてコナンと仲間たちが、裏切りと因縁を巡る四つ巴のバトルを繰り広げる。監督は、第15作「名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)」より6作連続で劇場版を手がける静野孔文。脚本は前作「名探偵コナン 業火の向日葵」に続き櫻井武晴が担当。声の出演は「魔女の宅急便」の高山みなみ、『夏色キセキ』の山崎和佳奈、『はじめの一歩』の小山力也。
  • 映画評論家

    上島春彦

    このシリーズ、星取りでしか見ないので企画の構想全体を理解したわけじゃないが、これ単発でもちゃんと分かるようになってはいる。で、見終わるとコナンをコナンたらしめている巨大な謎に二歩も三歩も近づいた気がしてくる。長年の宿敵が出現するんだよね。鍵は少年少女達が保護する記憶喪失女性の正体だ。正確には彼女が組織において果たす役割というべきか。クライマックスは巨大観覧車での崩壊感覚。狙う者と狙われる者の位置取り、狙う者同士の因縁など考え抜かれた設定が光る。

  • 映画評論家

    北川れい子

    アニメだから可能、といってしまえばそれまでだが、まず冒頭のカーチェイスのスピード感、疾走感には驚いてしまう。シリーズ初期の頃とは段違いの画のパワー。さすが劇場版20作目だけのことはある。しかも今回、コナンの敵と味方がズラリと登場、舞台となる二輪仕立ての観覧車や水族館の構造もスリリング。ま、欲を言えば、もう少し笑いがほしかったと思わないでもないが、謎とスリルがここまで疾走していればファンは文句なし。とにかく気が付いたらラストのクレジットだった。

  • 映画評論家

    モルモット吉田

    白木みのるみたいな探偵が警察の犬になって正義感を振りかざす本シリーズは「絶海の探偵」を頂点に肌に合わないと思うことが多く避け気味。しかし、今回は限定空間のアクションに徹していて、冒頭の派手な首都高カーアクションから好調。観覧車とヘリの攻防も盛り上がるが二輪式観覧車という設定が活かされず。ヒロインの記憶喪失と、脳という記憶装置をめぐる挿話や同級生の少年探偵団の連中の妨害としか思えない行動の数々も観覧車に集約させるためとは言え、ちと強引ですな。

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