SCOOP!の映画専門家レビュー一覧
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評論家
上野昻志
福山雅治、初の汚れ役(!)に挑戦、というところか? イヤ、冒頭から二階堂ふみの新人記者と組むまであたりは、長年のパパラッチ稼業に汚れた男の荒れた感じを出していて悪くない。とくに、半ば余計者扱いされている編集部で、自分の存在を強調するような大声を上げるところなど。だが、写真週刊誌が全盛を誇った1980年代を知る者からすると、この企画自体、時代とずれているのでは、という思いは禁じ得ない。それとも、週刊誌にもっとスキャンダルで頑張れという応援歌か?
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映画評論家
上島春彦
監督こだわりのTV映画をリメイク、私は知らなかった作品だ。八十年代写真週刊誌全盛期を知らないと意図不明な雰囲気もあるが、逆にあの時代を経験した人達のその後(が現在)という風に読み替えてある。面白いのはこの三十年で、キャパの超有名な戦場写真に異なる解釈が生まれたことだ。もちろん映画のコンセプトとは無関係である。ある決意の下に裏街道を自ら歩いているカメラマンを演じる福山がさすがに様になっていた。原作より登場人物を減らしたのもいい結果につながったな。
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映画評論家
モルモット吉田
大根映画はいつだって上手い。ダサくなる、退屈しそうな箇所を巧みに切り抜けるセンスは全盛期の伊丹映画にあった批評精神に通じる。「盗写1/250秒」のリメイクとなる本作ではアレンジャーとしての大根の才がいっそう発揮され、バディ映画、成長譚としての骨格も明確にアッパー系エンタメとして前半は完璧。クライマックスの展開もオリジナルと同じだが、撮れる撮れないの一瞬の迷いに対する処理は本作独自だけに、新人記者の二階堂がカメラへの執着がそれほどあったのかは疑問。
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