ジェイソン・ボーンの映画専門家レビュー一覧

ジェイソン・ボーン

驚異の身体能力を持つ孤高の殺し屋を演じたマット・デイモンの当たり役となった「ボーン」シリーズの新章。CIAによって生み出された暗殺者ジェイソン・ボーンは、記憶を取り戻し世間から姿を消していたが、隠された過去の秘密をめぐり再び戦いに身を投じてゆく。共演は「世界にひとつのプレイブック」のジュリア・スタイルズ、「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデル、「美女と野獣(2014)」のヴァンサン・カッセル、「メン・イン・ブラック」シリーズのトミー・リー・ジョーンズ。監督は「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」のポール・グリーングラス。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    新章スタートということだが、例によってシリーズ過去作は一本も観たことがなかった。なのでわざわざBOXを買いました。月並みな感想で申し訳ないが、動体視力がついていかないほどの超高速モンタージュに大興奮。でも、ここまでめまぐるしいと、生身でやっててもCGでももはや区別つかないんじゃないの? 確信犯的な悪のCIA長官をクールに演じ切るトミー・リー・ジョーンズの「顔」がシブい。あとはやっぱり、アリシア・ヴィキャンデルが可愛過ぎる!ということでしょうか笑

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    記憶を取り戻したボーンにどんな存在意義があるのかと期待したが、よくわからなかった。アリシア・ヴィキャンデルもなんだかステレオタイプなエリート女性のキャラクターの域を出ておらず不完全燃焼な印象。解き明かすべき謎がなくなったなら、完全に逃げることそのものが目的になってしまってもよかったのに、前後の辻褄がかえって混乱を招く。マット・デイモンが歳をとった分、ボーンにも加齢とともにある物語を課すればシリーズとして新作を作る意味も増したのでは。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    監督がポール・グリーングラスに代わった2作目からシリーズのスタイルが定着したようだ。手持ちキャメラの移動撮影などの短いショットを積み重ね、音楽に乗せてハイ・スピードでテンポ良く観せる技術はこの監督の独壇場だ。記憶喪失の暗殺者をCIAが世界中追いかけ回す単純なアクション・ドラマを描くには、内面描写より効果的だ。十年以上たってもマット・デイモンの肉体は老いを見せない。T・L・ジョーンズとA・ヴィキャンデルのキャスティングは次回作への布石か?

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