ロスト・バケーションの映画専門家レビュー一覧
ロスト・バケーション
「アデライン、100年目の恋」のブレイク・ライヴリー主演によるサバイバル・アクション。秘境のビーチでサーフィンを楽しんでいたナンシーは、突然何かに襲われ脚を負傷。無我夢中で近くの岩場にたどり着くが、その岩の周囲を獰猛なサメが旋回していた。脚本を「リセット」のアンソニー・ジャスウィンスキーが担当。監督は「ラン・オールナイト」のジャウマ・コレット=セラ。
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批評家。音楽レーベルHEADZ主宰
佐々木敦
どんな映画か全く知らずに観てしまったのだが、すぐわかりました。最初の方は「イマドキ映像表現がうざいなあ」と思って脳内で「★★」を付けていたものの、ヒロインの孤独な闘いが始まってから次第に盛り上がってきて「★★★」になった。シンプルなストーリーゆえ、あとはひたすらアイデア勝負になるしかないのだけど、特に斬新なわけでもないのに、クライマックスに向かうにつれて、明らかに強度が増してゆく。監督ジャウマ・コレット=セラの腕は確かだと思う。観終わってみれば。
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映画系文筆業
奈々村久生
「ゴシップ・ガール」ではハイブランドの服に高級マンションでセレブ三昧だったライヴリーが、水着一枚で岩肌にへばりついていれば、必然的にショーとしての価値が生まれる。その意味でこれは「ブレイク・ライヴリー」という女優を、海のオリに閉じ込めてサメと戦わせ観賞する徹底的な見せものである。しかし彼女は好奇の視線に食い潰されない奮闘を見せた。女性一人のサバイバル劇における肉体の重要性は「ゼロ・グラビティ」のサンドラ・ブロックも証明した通りである。
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TVプロデューサー
山口剛
「ジョーズ」は集団パニック映画だが、こちらはサメと人間、それも水着の美女との一対一の死闘だ。撮影技術は「ジョーズ」より洗練されている。サメがいきなり現われるシーンはショッキングだ。サメが執拗に彼女を狙うのは敵愾心なのか食欲なのか? サメにそんな習性があるのか、すでに三人食っているから満腹のはずだなどという疑問は見ている間は全く浮かばなかった。潮の満ち引きという卓抜なアイディアが十分生きていないのは残念だが、良く出来たワン・シチュエーション映画だ。
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