ジャック・リーチャー NEVER GO BACKの映画専門家レビュー一覧

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

リー・チャイルドの小説を映画化した「アウトロー」の続編で、「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィック監督、トム・クルーズ主演のサスペンス・アクション。元米軍秘密捜査官ジャック・リーチャーは、何者かの陰謀で捕まったターナー少佐の救出に動く。出演は、「アベンジャーズ」のコビー・スマルダース、ドラマ『HEROES』のダニカ・ヤロシュ、ドラマ『プリズン・ブレイク』のロバート・ネッパー。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    もちろんトム・クルーズはいつでも最高で、クライマックスでホテルをよじ登っていくときの身のこなしの軽さなどいつもながらほれぼれするのだけれど、映画自体は弛緩した感じで、彼が主役じゃなかったら★の数はこれよりひとつ少なかったかも。シリーズ前作の、引き締まった美しい画面とタイトなクリストファー・マッカリー演出の記憶があるから余計に分が悪い。それでも、肉弾戦の迫力をたくさん見せようとしているのと、サマンサ役の女優がいわゆる美少女タイプでないのは見どころ。

  • 映画監督

    内藤誠

    トム・クルーズとズウィック監督が組んで一匹狼J・リーチャーを映画化したのだが、超法規の快感で、2時間近くを飽きさせない。アフガンでの麻薬と武器をめぐり、米軍上層部が汚職をしているという、ありきたりの物語ながら、知性も体力もあるスーザン・ターナー少佐をコビー・スマルダーズが魅力的に演じて、男に引けを取らない。「戦火の勇気」で女性軍人にスポットを当てた監督だけにさすが。花火があがるニューオーリンズのハロウィン・パレードをクライマックスにしたのも効果的。

  • ライター

    平田裕介

    前作とタメ張る無双ぶりを誇るリーチャーだが、それを発揮するシーンやシチュエーションがクライマックスを除いてなんとも小ぶり。そのうえ、なにかとホテルを拠点にして出たり戻ったりするものだから落ち着かない。おまけに、黒いコートにジャケット、手には指出しのレザー・グローブ(こちらも黒をチョイス)という、時代錯誤というかあまりにベタな刺客の格好にも言葉を失う。しかし、トムの映画は“彼の彼による彼のための映画”でもある。ゆえに、グダグダ言ってはいけない。

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