キング・オブ・エジプトの映画専門家レビュー一覧

キング・オブ・エジプト

「アイ,ロボット」のアレックス・プロヤス監督による冒険ファンタジー。神と人が共生する古代エジプトに砂漠の神セトが君臨。混乱が広がる国を救うため、天空の神ホルスは盗賊ベックと組み、王座を左右する神の眼を奪おうとする。4D/3D/2D同時公開。セトに妻を奪われた盗賊ベックを「マレフィセント」のブレントン・スウェイツが、前王オシリスの子ホルスを「真夜中のゆりかご」のニコライ・コスター=ワルドーが、暴君セトを「300 <スリーハンドレッド>」のジェラルド・バトラーが演じる。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    神々と人間がとても近かった時代(ギリシア神話みたいな世界を想像していただければ)の古代エジプトが舞台。時々アクションが鈍重に見えるのが気になるし、変身後の神々が、いっそ日本の特撮映画の怪獣並みに巨大化してくれたらさらによかったかもと思うけど、ホラの吹き方がたいへん豪快でよろしい。「マレフィセント」のぽんこつ王子がここではいい感じに軽い泥棒を演じ、神の王子とのバディ感が楽しい。トートやハトホルとチームになってからのくだりはもっと長く見たかったかも。

  • 映画監督

    内藤誠

    エジプト神話を素材にしてCGを駆使したスペクタクル。おなじみのピラミッドやスフィンクス、それに巨大オベリスクの建築家まで登場させ、建物の仕掛けもよくできている。冒頭、天空から一気にエジプトの市街に舞い降りていくショットには、わくわくした。砂漠から権力奪取のためにセト(ジェラルド・バトラー力演)が部下を引き連れて、やってくるあたりも圧巻。死者の魂を死後の世界へ導くハトホル(エロディ・ユン)も妖しい魅力を振りまくのだが、後半、話が見えてしまうと辛い。

  • ライター

    平田裕介

    古代エジプト神話の世界を舞台にしており、監督も一応はエジプト生まれ。それゆえ、アドベンチャーとはいえ神々しいこと極まりないのではなかろうかと構えていたが、とにかく毒々しいというかケバケバしいノリ。神様たちの背丈は人間の倍くらいの背丈という比率設定や銀河にホゲーッと鎮座する老けメイクのG・ラッシュなど、大小問わず画面に映り込むすべてがキッチュだ。一方、C・イートン、A・リー、E・ユンと、女優たちは神々しいまでに美しい方々を揃えているのも◎。

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