WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズの映画専門家レビュー一覧

WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズ

「恋人まで1%」のザック・エフロンがDJで成功を夢見る青年を演じるドラマ。EDMシーンでスターになることを夢見る若者コールと仲間たち。コールはカリスマDJのジェームズと出会い熱心な指導を受けるが、仲間たちとの関係に歪みが生まれる。出演は、「インターステラー」のウェス・ベントリー、「ゴーン・ガール」のエミリー・ラタコウスキー。監督は、MTVの番組で人気を博し、本作が長編映画デビュー作となるマックス・ジョセフ。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    EDMミーツ青春映画。DJが主人公のビルドゥングスロマン。こういう話って過去にもいろんなパターンで繰り返されてきたと思うのだが、音楽においても、新しいジャンルが出てくるたびに撮られているのじゃなかろうか。物語の展開も、途中で起きる悲劇も、正直ありきたりとしか言いようがないが、しかしこういう設定でこれ以上どうすればいいのかと問われたら返答に困る。ダンスミュージックの蘊蓄が随所に入ってるのが親切だが、残念ながらニッポンの若者にはあまりウケないだろう。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    アーティストが発信する楽曲を受け取るものから、オーディエンス自身が主役となって楽しむものへ。音楽のそうした側面を飛躍的に促進させたのがクラブカルチャーとDJという職業だったと思う。アーティストの本領が自分の世界を表現することならば、DJは聴衆を沸かせることも重要。EDMがアンダーグラウンドから表舞台での人気を得た背景には音楽そのものの楽しみ方とニーズに大きな変化があったはずだが、ドラマ自体は従来のバンドものとそう変わらないのが惜しい。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    L・Aの先端的風俗を背景にDJのトップを目ざす主人公のサクセス・ストーリーにあまり共感を覚えないのは、その職業が持つ作曲家とも演奏家ともつかぬある種のいかがわしさに由来する。彼らの野望は一発当てて大金を狙うもので、芸術家の苦悩とは違うようだ。カリスマDJである先輩の愛人に恋するストーリーは意外に古風だし、奇矯な風体を装っている彼の仲間たちも一様にステレオタイプで個性に欠ける。クラブに行って最新の音楽やファッションを楽しむ、そんな映画だ。

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