ノック・ノック(2015)の映画専門家レビュー一覧

ノック・ノック(2015)

「グリーン・インフェルノ」等で異彩を放つイーライ・ロス監督がキアヌ・リーブスと組んだホラー。留守番中のエヴァンのもとに、びしょ濡れの美女二人が助けを求めてくる。家に上がり込んだ二人はエヴァンを誘惑し、とんでもない地獄に突き落とす。キアヌ・リーブスは本作のエグゼクティブ・プロデューサーも務めている。ほか、あやしげな美女二人組を、イーライ・ロス監督の妻で「グリーン・インフェルノ」に主演したロレンツァ・イッツォと、「サイレント・ウェイ」(未)のアナ・デ・アルマスが演じる。
  • 映像演出、映画評論

    荻野洋一

    低迷したキアヌ・リーヴスは昨年公開の「ジョン・ウィック」でV字回復を果たしたが、余勢を駆って、あろうことか恐怖のマゾ映画「メイクアップ」のリメイクに手を出した。少年期に見た筆者にはトラウマとなった作品で、ゴーストやモンスターよりも女性の本性の方が遥かに怖いという真実の杭を、無垢なる少年の心に打ちつけてくれた。あの時のシーモア・カッセルの怖がり方は絶品だったが、今回のキアヌの怯えぶりもなかなかだ。怖がる芝居で魅せるのは、映画の重要な特質である。

  • 脚本家

    北里宇一郎

    中年のおっさんが2人の娘っ子にいたぶられるという展開は、原型の「メイク・アップ」と同様。前作はお話にヒネりがなく、ただ漫然とサディスティックな描写が続くだけだったけど、今回も似たようなもので。新たな道具立てにアナログ・レコードとかSNSを使ってるが、あまり効果を上げてない。キアヌ君は製作まで兼ねて、どうしてこんな映画に出たんだろ。この監督なので、いつ血ドバドバ、内臓グチャリの画面が出てくるかとハラハラドキドキ。あ、その興味で引っぱったわけね!

  • 映画ライター

    中西愛子

    よき父である主人公。妻と子どもが旅行に出かけた夜、見知らぬ若い2人の女を家にあげてしまったことから男の悲劇が始まる。「メイク・アップ」(77)のリメイクだが、いまさらこんなにベタに男性原理への女の復讐みたいな映画はいかがなものかと。だいたいキアヌ・リーブスは、最初は下心の隙をつかれただけで、その後は反省してるし、次第にかわいそうになってくる。若い女優にいたぶられるだけのこの役はキアヌじゃないでしょ。でも最後の“いいね!”は笑ってしまった。ごめん。

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