SING シングの映画専門家レビュー一覧

SING シング

「ミニオンズ」「ペット」を生んだユニバーサル・スタジオ&イルミネーションによるアニメーション。動物だけが暮らす世界。取り壊し寸前の劇場支配人バスターは、かつての栄光を取り戻すため歌のオーディションを開催、個性的な動物たちが会場に集まってくる。声の出演は「追憶の森」のマシュー・マコノヒー、「わたしに会うまでの1600キロ」のリース・ウィザースプーン、「テッド」のセス・マクファーレン、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」のスカーレット・ヨハンソン、「五日物語 3つの王国と3人の女」のジョン・C・ライリー、「キングスマン」のタロン・エガートン、「ソーセージ・パーティー」のニック・クロール。監督・脚本は「リトル・ランボーズ」のガース・ジェニングス。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    バックステージものに弱いわたしのツボを突く題材。歌を通じてキャラクターがみな、自分の人生の問題を乗り越えていくストーリー。クライマックスの舞台シーンは構図やカット割りも見事で、1曲終わるごとに拍手したくなる間合いが取られており、ハリウッドの古典ミュージカルを作り手がちゃんとわかっているのだなと思える。背景美術もいちいち楽しく、きゃりーぱみゅぱみゅの歌に合わせて踊る「ジャパニーズ・カワイイ」的5匹組が、どことなく日本の女の子たちっぽいのも面白い。

  • 映画監督

    内藤誠

    最近のアニメはシブイことをする。見たばかりの「虐殺器官」ではカフカの墓参りが重要なシーンになっていたし、この作品も動物たちがキャラクターなのに、それぞれが奏でる懐かしさをともなう楽曲に感情移入。コアラの主人公は父が残してくれた劇場を守ろうと孤軍奮闘する。そこに登場するブタやゾウ、ゴリラなどの動きがおかしい。パンク・ロッカーのヤマアラシなど秀逸で、ハッピー・エンドだと分かっていながら、大団円の舞台をわくわくして待った。オールディーズのファンにはお薦め。

  • ライター

    平田裕介

    “いつだって人生は変えられます”的なもの以外に深遠なテーマやメッセージがあるわけではなく、華やかなシーンを繋ぎ合わせただけの印象。だが、そうした娯楽至上主義を掲げたイルミネーション・エンタテインメント制作の作品であるのだから文句を言うのは筋違い。実際、次々と飛び出す時代とジャンルをまたぎまくった名曲&ヒット曲には聴き入ってしまうし、ユーモラスとキュートを打ち出したキャラ群にも見入ってしまう。コアラ=マシュー・マコナヘイが繰り出す妙な日本語は必聴。

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