PとJKの映画専門家レビュー一覧

PとJK

警察官と女子高生の秘密の結婚を綴った少女コミックを、亀梨和也と土屋太鳳の共演で映画化。高校生のカコは合コンで出会った警察官の功太と惹かれ合い、立場上高校生と軽々しく付き合えない功太はプロポーズ。しかし二人の結婚生活には困難が待ち受けていた。Pは警察官(Police Officer)を、JKは女子高生を指す。監督は「オオカミ少女と黒王子」「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一。函館を中心に北海道でオールロケされた。
  • 映画評論家

    北川れい子

    まさに少女マンガ的な設定で、キャラクターも大人が観るには小っ恥ずかしいが、それでもとにかく退屈しなかったのは、職人・廣木監督の演出手腕のおかげである。土屋太鳳のハシャいだ演技と、いつも目線がまっ直ぐな亀梨和也のカップルもいい。ドラマに親を介入させているのも説得力があり、演出のあちこちに笑いを忍ばせているのも達者。もっと言えば、学園コメディ、ホームコメディ、職場コメディ的な要素もあるし。ヒロインの親友役の玉城ティナが「暗黒女子」と違っていい感じ。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    Pはポリスでこれは警官と女子高生の恋愛もの、と知ったとき、それってあまりダークなところにまでいっていない水商売嬢が頼りにし惚れがちなのは警察関係だというようなあれかと思ったが、このJKは庇護を求めてはいなかった。ふたりとも実は似たもの同士の真面目善人で、ならばもっと障壁があってもよかった。どうも逆タイプの不良のほうの磁力が目立つ。とはいえ、見せる。隙のない王道のキラキラ恋愛映画。今回ももちろん亀梨を殴りたがる父親ムラジュンにアイデンティファイ。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    “警察官と女子高生の新婚生活”というフィクションの微妙な均衡を保つため、この映画では、例えば“通話中の相手の声は観客に聞こえない”というリアリティと、“フラッシュモブのように踊り出す人々”というバーチャルを混在させている。また“苦労して登ったけれど、元の所に戻る”という冒頭シーンで、物語全体の流れを象徴させていることも窺える。「雷桜」(10)で大橋好規を起用していたように、廣木隆一監督は音楽センスに秀でているが、本作にもそのセンスを指摘できる。

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