チア・ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話の映画専門家レビュー一覧

チア・ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話

2009年に全米チアダンス選手権大会で優勝した福井商業高等学校チアリーダー部をモデルにした青春ドラマ。ひかりは憧れの人を応援したいという軽い気持ちでチアダンス部に入部。しかし全米大会制覇を目標に掲げる顧問のもと、過酷な練習が待ち構えていた。監督は「俺物語!!」の河合勇人。チアダンスと出会い成長していく主人公を「ちはやふる」の広瀬すずが、彼女と支え合う友人を「劇場版 零~ゼロ~」の中条あやみが、彼女たちを厳しく指導する教師を「アマルフィ 女神の報酬」の天海祐希が演じる。
  • 評論家

    上野昻志

    事実に基づいた物語というと、それが成功談であるだけに、話の展開はあらかじめ想像できるのだが、それでも、笑顔だけがいい、と言われる広瀬すずをはじめ、優等生タイプの中条あやみ、笑顔が苦手な山崎紘菜、丸形体型の富田望生など、それぞれ違ったタイプの少女たちがチアダンスに挑む姿は悪くない。なかでも、夜の街のショーウインドウの前でひとり踊る山崎を見つけ、広瀬がそれに合わせて踊り出し、そこに中条が加わるシーンがいい。ダンスと映画は昔から相性がいいのだ。

  • 映画評論家

    上島春彦

    集団ダンスが良くソロも良く、踊れる人を集めているのだろうが感心しきり。それだけで見る価値あり。ただ実話の枠に縛られて話が重くなった。スポ根ドラマみたいなんだよね。そうならないように演出努力がなされてはいるのだが、それだったらもっと踊りばっかりにしてくれても良かった。特に主演陣の練習シーンを長々と見たかった。先生とコーチも本格的に踊らせたかったね。残念。極端に言えばこの映画に男は不要だ。あやみの決めの一言をすずが継承するという女の友情劇は上出来。

  • 映画評論家

    モルモット吉田

    青春映画の枠に沿いつつ催涙的な場面を避け、パターン通りの描写を外す演出が見事。授業中に広瀬らが足でリズムを取る練習を密かにしていると、次のカットでは昼休みの中庭に移り、カメラが引くとその場の全員が足踏みしているというミュージカル的な処理にも瞠目。『天海祐希にやりすぎはない』と竹中直人が最近書いていたが、本作を観れば納得。「北陸代理戦争」でおなじみ福井弁を活用し、世界に打って出る話だからこそミニマムに描くという映画のサイズを心得た職人技を堪能。

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