プリースト 悪魔を葬る者の映画専門家レビュー一覧
プリースト 悪魔を葬る者
「チョン・ウチ 時空道士」のキム・ユンソクとカン・ドンウォンが再び組んだサスペンス。魔物と化した女子高生ヨンシンを救うため、キム神父と補助司祭に選ばれた神学校生アガトは悪魔祓いを行う。特集『韓国映画セレクション2016 AUTUMN』の一作。監督は、第15回全州国際映画祭韓国短編コンペティション部門監督賞ほかを受賞、本作で初めて長編に挑んだチャン・ジェヒョン。
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批評家。音楽レーベルHEADZ主宰
佐々木敦
いきなりイタリア語から始まって、かなり驚かされる。エクソシスト=悪魔祓いというのは韓国映画としては珍しい題材なのかもしれないが、善悪の極端な対立であるとか広い意味での「憑依」というのは、お得意のテーマなのではないだろうか? 話の展開も従来の「エクソシストもの」に則っており、言ってしまえばそれだけなのだが、後半ひたすら延々と続く悪魔祓いシーンの異様な迫力と、主演3人の熱演に見入っていると、ラストにド派手な見せ場が待ち受けている。カルト化必至!
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映画系文筆業
奈々村久生
アジア映画として、アジア人の登場人物で、悪魔祓いのジャンルに真剣に取り組んだ心意気をまず讃えたい。その上で、かなりよく頑張ったと思う。アジア系のホラーテイストと西洋のオカルト要素を織り交ぜながら、ファンタジーに傾きすぎず、だがいざというときには憑かれた者の振り切れた怪演で理屈を超越し場を圧倒する力もある。クリスチャンの多い韓国だからこそ成立したネタかもしれない。キム・ユンソクのエクソシストっぷりとカン・ドンウォンの司祭コスチュームプレイも悪くない。
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TVプロデューサー
山口剛
悪魔祓いの映画は欧米のホラーに親しんでいる者にとっては珍しくないが、意外にも韓国ではこれが初めてだそうだ。明らかに「エクソシスト」韓国版を狙っているが、安直なコピーにするまいとシャーマンなど韓国独自の風俗を取り込み工夫を凝らしており、映像はスタイリッシュ、主演コンビもいいので面白く見られた。既視感を覚えるシーンが多いのはこの種のジャンル映画では仕方がないのかもしれないが、今ひとつオリジナリティが欲しい。話の鍵となる子豚はよく判らなかった。
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