いきなり先生になったボクが彼女に恋をしたの映画専門家レビュー一覧
いきなり先生になったボクが彼女に恋をした
韓国の男性アイドルグループSUPER JUNIORのイェソンと佐々木希がダブル主演するラブロマンス。沖縄の韓国語学校に通うシングルマザー・さくらは、出張中に会社が潰れ教師をすることになったヨンウンに個人レッスンを依頼。二人は次第に距離を縮めていくが……。共演は「案山子とラケット 亜季と珠子の夏休み」の佐藤正宏、「麦子さんと」のふせえり、「私は貝になりたい(2008)」の武野功雄、「友だちのパパが好き」の吹越満。監督は「愛を積むひと」の朝原雄三。
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評論家
上野昻志
いや、タイトルだけ目にしたときは、また、しょうもない恋愛モノか、と半分逃げ腰になったのだが……主人公が沖縄に行ったあたりから、それなりに楽しく見られた。頼りなげなボクを演じるイェソンは、さすが韓国の人気グループのリード・ボーカルだけあって、『勝手にしやがれ』を熱唱するところなどいいし、彼を韓国語の教師にした学院の二人組と三人で、韓国の社長を案内する佐々木希扮するさくらに、遠隔から韓国語を伝えながら追っかける一連など、コミカルに弾んでいて悪くない。
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映画評論家
上島春彦
最近の希さんは余計な脂が抜けてとても良い、と私は思っている。ただ世間の評価は逆なので困ってしまうよ。沖縄は台湾からの旅行者であふれていると聞いたが、これは韓国人が一方の主役。いずれにせよアジアとの接触地点としての沖縄というのは多分二十一世紀現在、興味深い話題の一つ。彼が実はいいところのぼんぼん、という設定だけは冒頭から分かるものの、話のネタは割れないから楽しく見られた。バーのマスターが彼女を助けるために妙な発明品を持ち出すあたりから面白くなる。
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映画評論家
モルモット吉田
魅力に欠ける題だが朝原雄三だけあって演出で見せ切る。パターン通りの再会や別れのシーンをどんどん省略するのは小気味いいが、米軍機や雇用問題など沖縄の現実をさりげなく提示することも忘れない。だが、韓国語も覚束ないヒロインに商談相手の接待と通訳を任せ、挙句に強姦されそうになるパワハラ&セクハラを古めかしい笑いに利用するのは無頓着。無線を使った通訳作戦を活かすため、かなり喋ることができたはずのヒロインが日常会話までロクに分からなくなるのはご都合主義。
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