ブレア・ウィッチの映画専門家レビュー一覧

ブレア・ウィッチ

世界中で大ブームを巻き起こしたホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の正統な続編。20年前に失踪したヘザーの弟ジェームズは、ネットで姉らしき人物の映像を見る。姉を救い、“ブレアの魔女”の謎を解くため、彼と仲間たちは森に踏み込むが……。監督は、「ザ・ゲスト」のアダム・ウィンガード。出演は、ドラマ『ザ・フォロイング』のヴァロリー・カリー、ドラマ『ウォーキング・デッド』のジェームズ・アレン・マキューン、「ディテクティヴ」のウェス・ロビンソン。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    その昔「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を観た時は「全然コワくないし話が終わってないじゃん!」と憤ったものだが、これはマジでコワかった。当然ながらテクノロジー的にアップデートされており、森に入っていく若者たちはヘッドセットカメラやドローンを駆使しているのだが、それらが効果的に使用されるわけではなく、むしろ次々と最新機材がダメになっていくことでコワさを演出している。容赦ない救いの無さは前作同様。やたらとデカい音を突然鳴らすのは品がないと思った。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    恐怖には二種類あって、一つはかつてどこかで見たり聞いたりした怖いことがこれから起こるのではないかと予感する経験に基づいたもの。もう一つは全く予期せぬ事態が突然目の前で起こったり知らない何かに襲われたりする未知に対するもの。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のフォーマットは、現時点ではある程度誰もに知られており、カメラを持って森に入った若者はひどい目に遭うに決まっている。続篇として保証された恐怖はともかく、一作目がもたらした後者はない。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は、ロスト・フッテージ、疑似ドキュメント、低予算を逆手に取った撮影法など斬新で面白かったが、以後類似の作品が次々と現われるに至り新鮮味は失せた。正統続篇と称する本作はGPSやドローンなどを使い前作を越えようという幾つかの狙いも判るが、基本的には前作をなぞったもので、正統続篇ならではの独創的な新しいアイディアがない。手持ちカメラの揺れ動く映像、驚愕を煽る大音響の音楽効果は1時間半とはいえいささか疲れた。

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