ラスト・ウィッチ・ハンターの映画専門家レビュー一覧
ラスト・ウィッチ・ハンター
ヴィン・ディーゼルが不老不死の戦士を演じるダークファンタジー・アクション。800年の間、ウィッチ・ハンターとして人類を守り続けてきたコールダー。そんな彼を代々ドーランと呼ばれる神父が見守っていたが、ある日、36代目ドーランが何者かに殺されてしまう。監督は「クレイジーズ」のブレック・アイズナ―。共演は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッド、「ハネムーン(2014)」のローズ・レスリー、「グランドフィナーレ」のマイケル・ケイン。
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翻訳家
篠儀直子
「何が起こっているのかイマイチわからんアクションシーン」を久々に見せられた(注・アクションシーンが全部そうだったわけではありません)のには閉口したが、好きなタイプの話なので個人的には楽しく観た。怪奇映画と探偵映画とアクション映画を合わせたような面白さ。現代のNYに魔術の世界が潜んでいるという設定がそれなりに説得力をもって提示され、虫やら石やらの道具立てが、ほとんど説明なしに次々登場するのもいい。しかしイライジャ・ウッドはどこへ向かっているのか。
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映画監督
内藤誠
ポプコーンを口にする子連れの客の隣席で、「シン・ゴジラ」を見た翌日、試写に行ったので、ひどくマニア向けの映画だという気がした。ジュリー・バーゴフの美術が、魔女の巣食う大樹や、ニューヨークの街並みを眼下に薬草の茂る部屋、無気味な監獄など、絶品。ジュリー・エンゲルブレヒトの魔女の女王の顔も怖い。80年代にエリカ・ジョングとジョセフ・A・スミスの絵本『魔女たち』がよく読まれたものだけれど、この映画も相当にペダンチックなので、カルトなファン向きである。
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ライター
平田裕介
大失敗に終わった「リディック」が証明したように、ヴィン・ディーゼルはコスチューム系やファンタジー系に寄せた作品とは相性が悪い。やはり今作もしっくりきておらず、むやみに大きい剣を背負っていたり、振り回している姿は違和感バリバリ。だが、ゴツいアストンマーチンをブッ飛ばし、ショットガンをブッ放すという“彼らしい姿”が出てくると、画面が締まってくるし、ノリも良くなってくる。魔女と人間が共存する世界の設定も細かく決められているが、その面白さもいまいち伝わらず。
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