ジョン・ウィック:チャプター2の映画専門家レビュー一覧
ジョン・ウィック:チャプター2
キアヌ・リーブス主演による元殺し屋の壮絶な復讐劇「ジョン・ウィック」の続編。再び隠遁生活に入ったジョンは、イタリアン・マフィアからある殺しを依頼されるが一蹴。マフィアの怒りを買ったジョンは、想い出の詰まった自宅をバズーカで破壊されてしまう。監督のチャド・スタエルスキ、脚本のデレク・コルスタッド、音楽のタイラー・ベイツといったスタッフや、オーレリオ役のジョン・レグイザモ、ウィンストン役のイアン・マクシェーンらが前作から続投。新たに「ラン・オールナイト」のコモン、「パッセンジャー」のローレンス・フィッシュバーン、「誰のせいでもない」のピーター・ストーメア、「二ツ星の料理人」のリッカルド・スカマルチョ、「トリプルX 再起動」のルビー・ローズ、「ジャンゴ 繋がれざる者」のフランコ・ネロが出演。
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翻訳家
篠儀直子
渋いつくりと主人公の「やり過ぎ感」が魅力だった前作を超えるべく、今回は映画自体が「やり過ぎ感」を出しまくっている感じ。やたら車にはねられるわ、まるでNY住民の3割が殺し屋であるかのようだわである。一方、闇社会のルールの作りこみの面白さや、一般人を決して巻きこまないダンディズムも加速。しかし撮り方が悪いのか、キアヌの動きが時々鈍重に見えるのが気になるし、恐れ多くもウェルズの「上海から来た女」を踏まえたらしきシーンは、もっと面白くできたと思うのだが。
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映画監督
内藤誠
前作よりパワーアップをはかり、見せ場の連続。キアヌ・リーヴスも車、銃撃、ナイフとめいっぱいのアクションを演じている。脇役もフランコ・ネロやローレンス・フィシュバーンをはじめ、新旧の絵になる顔をそろえて楽しい。ニューヨークとローマを舞台にホテル、ファッション、銃器と気配りもよく、鏡の間の戦闘も派手でいい。惜しむらくは、悪役が狙う実姉と手話で意志を伝える女ボディーガードのキャラクターが男性陣に比べて描き足りず、殺しの人数が多すぎるのもかえって単調。
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ライター
平田裕介
ハイパワーで車同士がどつき合うオープニング、さらに尺が延びて敵の数も増量した銃撃戦+殺陣“ガンフー”、「上海から来た女」or「燃えよドラゴン」しているクライマックスと、アクションは前作よりもド派手かつ練られてもいて文句なし。また、ただ登場させて使い捨てにすることなく、きっちりシリーズ継続の“鍵”にも昇華させている新規サブ・キャラクターたちの活かし方も悪くない。ただ、彼らのアクの強さが、ジョン・ウィックの個性を弱めてしまっている気がしないでもない。
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