NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲームの映画専門家レビュー一覧

NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム

「パラノーマル・アクティビティ3」のヘンリー・ジュースト&アリエル・シュルマンが、ネット社会を舞台に繰り広げる青春スリラー。裏オンラインゲームに参加した女子高生ヴィーは、そこで知り合ったイアンとコンビを組み、多額の賞金を手にするが……。出演は「なんちゃって家族」のエマ・ロバーツ、「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」のデイヴ・フランコ。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    最新ネットカルチャーとSNSをフルに活用した、最近ますます増えてきたタイプの作品。親友への当てつけでムチャ振りオンラインゲーム『ナーヴ』(要するに『VICE』みたいなもの)に参加したヒロインをエマ・ロバーツが嬉々として演じている。青春映画、恋愛映画としての基本姿勢は古典的なパターンだが、だからこそ道具立ての新しさとスタイリッシュな画面が映えるということなんでしょうか。正直興味が持てない世界だと思ったが、後半やや意外な展開に。いや、そうでもないか。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    脚本が実によく出来ている。今の自分を変えたいがその勇気やきっかけに飢えていたティーンの女子の元に、手軽で慣れ親しんだツールによって絶好のチャンスがもたらされる。ゲームの中の挑戦が人生への挑戦に直結する。少々無茶なハードルでも自らの動機ではなくゲームのミッションだと思えばクリアできてしまう。実体のない誰かの命令に従うことで自分の責任を曖昧にしつつ安易に達成感を手にした気になれる怖さ。終盤、ゲームの舞台を現実に移して実状を明かす描き方もスマートだ。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    オンラインゲームに参加したヒロインの冒険譚であるが、青春ドラマ、近未来SF、サバイバル・ゲームなどのいいとこ取りで気楽に楽しめる作品になっている。スタテン島のロケも悪くない。映画はハッピーエンドに終わるが、果たして現実のNET社会の未来はそんなに楽天的なものだろうかという疑問が残る。住民監視システムの完備を初めディストピア的側面をこの映画から読み取れるだろうか? 近未来の設定がサバイバル・ゲームのための背景としてしか機能していないように思える。

1 - 3件表示/全3件