スプリットの映画専門家レビュー一覧
スプリット
「X-MEN」シリーズのジェームズ・マカヴォイ主演、「ヴィジット」のM・ナイト・シャマラン監督によるサスペンス・スリラー。23もの人格を持つ男に拉致・監禁された3人の女子高生たち。なんとか脱出を試みようとするなか、男に最も危険な24人目の人格が姿を現す。共演は『モーガン プロトタイプ L-9』のアニヤ・テイラー=ジョイ、「ハプニング」のベティ・バックリー、TV『スキンズ』のジェシカ・スーラ、『ラスト・サバイバーズ』のヘイリー・ルー・リチャードソン。
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映像演出、映画評論
荻野洋一
“シャマランが復活した”とは巷間によく聞く話だが、過大評価ではないか。「エアベンダー」「アフター・アース」だのといった駄作の山を築いた頃よりはだいぶ回復したが、前作「ヴィジット」より一段と普通のお化け屋敷になった。解離性同一性障害の犯人によるニューロティックスリラーだが、監禁の恐怖描写という点で「ドント・ブリーズ」の謙虚な細部演出を見た後では、俳優の百面相芝居に依存し過ぎているように思える。緊張感は持続しないものの、普通に楽しくは見られる。
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脚本家
北里宇一郎
「どうだい、若旦那の新作は?」「二四重人格の怪人が出てくるよ」「怖いんかい」「なんかお喋りばっかしてて」「お、対話劇ってヤツ?」「ていうか、静かなムードで押して、最後にドンと盛り上げる作戦」「じゃ、ゃいつものケツでビックリドッキリは健在だね」「いやもう、サイコサスペンスだと思ってたらモ○○○ーものに化けて驚いた」「相変わらずだねえ(ニヤニヤ)」「どうも脚本のデッサンが狂いっぱなしって感じで」「スプリットしてるのは監督本人じゃねえの」「しっ、それはナイショ」
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映画ライター
中西愛子
少女3人が何者かに拉致監禁される。犯人は多重人格者で、次々と人格を変えて彼女たちを脅す。そこに、まったく違う場所で行われるこの男と担当医の診察シーンと、一人の少女の回想シーンが絡む。それがどう物語に関係していくのかと思っていると、意外性に富みつつシンプルなシャマランらしい展開に。ミスリードされたいこちらの期待を最後まで裏切らない。一番の見どころは、スキンヘッドで24の人格を演じ分けるJ・マカヴォイ。狂気と可笑しみと悲劇性を湛えて淡々と魅了する。
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