俺たちポップスターの映画専門家レビュー一覧

俺たちポップスター

アメリカのコント番組『サタデー・ナイト・ライブ』でブレイクした“ザ・ロンリー・アイランド”の3人が製作・監督・脚本・出演を務める音楽コメディー。現代のアメリカポップミュージック界を舞台に、人気スターの転落をモキュメンタリースタイルで映し出す。出演は“ザ・ロンリー・アイランド”のアンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファー、「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」のサラ・シルヴァーマン、「ジャックとジル」のティム・メドウス、「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」のマーヤ・ルドルフ、「フリークス・シティ」のジョーン・キューザック。製作に「40歳の童貞男」「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」のジャド・アパトーが名を連ねる。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    「流行りの薄っぺらい音楽“ドキュメンタリー”」(日本で近年劇場公開されている種類の映画のことではなく、アイドル的シンガーのプロモーション映画のことらしい)を茶化すのが狙いだそうで、実際、錚々たるミュージシャンが大真面目に主人公たちの音楽から受けた影響など語るのが可笑しくて、音楽好きの人なら面白さ百倍の筈。一方、話の構成自体は王道バックステージ物で、クライマックスでは思いがけないカタルシスと高揚感も訪れる。この際、定石を外してほしかった気もするが。

  • 映画監督

    内藤誠

    仲のいい者たちが集まって作ったよさがにじみ出ている楽しい映画。ポップ音楽をめぐる物語となると、人間関係と金の問題が定番だけれど、それがリアルで笑える。主人公のアンディ・サムバーグが自分たちのバンドの星取表を見て、批評家をコケにするところなど、その愚かしい思い込みが滑稽でもの哀しく、同時にさわやかで、羨ましい性格だと感情移入。アップテンポの演出のなかに、ワルフザケと有名スターのカメオ出演まであって、終始アナキー、かつ軽いノリで統一され、贅沢な感じ。

  • ライター

    平田裕介

    恥ずかしながら、主演トリオについても、SNLでの活躍についても無知でありました。なのだが、それとなく海外のアーティストを知っていれば笑えるネタがちりばめられていて、ヒストリーものという設定のモキュメント形式でキャラたちを解説する内容なので、前情報なしでも楽しめる。本作以前から三人の間でネタにされ、うち一人によってネットフリックスで主演作も撮られているというマイケル・ボルトン。劇中でもかなりの扱いだが、こうした洒落を理解するあちらの方々には敬服。

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