ボス・ベイビーの映画専門家レビュー一覧
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翻訳家
篠儀直子
突如現われた赤ん坊に両親の愛情を独占されるところから始まる奇想天外な大冒険。全員ではないとしても多くの人が子どものころに生きていた、空想と現実が地続きになった世界が見事に表現されており、何よりもまず、チャック・ジョーンズらが活躍した時代のワーナー・アニメーション(いわば反ディズニー)の、ワイルドな過激さを継承しているのが素晴らしい。ボス・ベイビーの動きと表情がとても工夫されていて、冒頭いきなりのアステアをはじめとして、歌曲の使い方もぐっと来る。
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映画監督
内藤誠
両親と仲良く暮らしている少年に弟ができると、普通でも動揺が走るのだが、その赤ん坊が実は柄のわるい声を出すおっさんであることから大騒ぎ。地球環境をよくするために人間の小型化をはかる「ダウンサイズ」と立て続けに見たので、SF的発想の可能性が楽しめた。特殊なミルクが切れると、ボス・ベイビーは平凡な赤ちゃんになってしまう。その微妙に変化する表情をドリーム・ワークスのアニメは巧く表現している。最後はラスベガスが舞台でプレスリーを活用して音楽とギャグも満載。
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ライター
平田裕介
吹替版を鑑賞。しわがれ声で葉巻を咥えたベビー・ハーマンという、出番は短いがインパクト大なキャラが「ロジャー・ラビット」にいた。彼と同様、赤ん坊なのに言動と格好は大人というのはどうしたって可笑しくなってしまうギャップである。というわけでボス・ベイビーの一挙一動に笑わせてもらったが、仕事に生きるよりも家族と生きるほうが幸せと決めつける姿勢には少し違和感が。まぁ、あくまでファミリー向けの作品だから仕方ないのかも。ボス・ベイビー=ムロツヨシは好演。
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