セブン・シスターズの映画専門家レビュー一覧

セブン・シスターズ

「ミレニアム」シリーズのノオミ・ラパスが1人7役を演じるSFスリラー。世界的な人口過多と食糧不足から厳格な一人っ子政策が敷かれた2073年。そこでは二人目以降の子供は親から引き離され冷凍保存されていた。そんななか、セットマン家で七つ子が生まれ……。共演は「ディストピア パンドラの少女」のグレン・クローズ、「ドッグ・イート・ドッグ」のウィレム・デフォー。監督は『ヘンゼル&グレーテル』のトミー・ウィルコラ。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    一種のディストピアSFなのだが、基本的なアイデアが面白い。厳格な「一人っ子政策」が施行された未来で、偶々生まれてしまった七つ子が、自分の名前と同じ曜日にだけ外出し、ひとりの娘を演じることで生き残りを図る。とにかくノオミ・ラパスが無茶苦茶頑張っている。というかこれは彼女を見るための映画だ。まったく異なる7人のキャラを巧みに演じ分けてることだけでなく、ド派手なアクションが売り。ストーリーの展開には無理やご都合主義が目立つが、まあそこはそれということで。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    シャマランの「スプリット」を思い出させる一人多役もの。ドラゴン・タトゥーの女ことノオミ・ラパスがマカヴォイの偉業に迫る。が、あまりにもマッチョなキャラクターが板につきすぎて、人格のバリエーションがマッチョ枠内のそれに偏りがちな様子。よって混乱しがち。姉妹全員で力を合わせるという大義がドラマ上でも映像表現においても実現していないのも喰い足りない。かつ敵の攻撃が非情かつ大胆すぎてひいてしまいそうになるけれど、ラパスのアクションは楽しめる。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    ノオミ・パラスが1人7役というアクロバティックな設定の未来アクション。一人っ子政策を推進するディストピアで、七姉妹が一人の人物であるかの如く装って生き延びていくというお伽話的設定は面白い。ただし悪役が完全武装の軍隊だけというのはアクション映画としてもいささか単調。折角グレン・クローズを使っているのだから、人類の未来を憂いているなどという人格設定は裏話にして、殺戮集団を率いて直接姉妹たちに迫る極悪ぶりをたっぷり見せてくれなきゃ面白くならない。

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