ちょっとまて野球部!の映画専門家レビュー一覧

ちょっとまて野球部!

高校野球部の日常を題材にした同名コミックの実写映画化。強豪でも弱小でもない県立神弦高校野球部の1年生、大堀、秋本、宮田は、授業や雑用をこなしながら野球に励んでいた。だが、追試で赤点を取った大堀が再追試に落ちると夏の合宿に参加できないことに。出演は、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの須賀健太、ドラマ『ごめんね青春!』の小関裕太、ドラマ『仮面ライダーゴースト』の山本涼介。監督は、ドラマ『孤高のグルメ』シリーズの宝来忠昭。
  • 評論家

    上野昻志

    野球部に、ちょっと待てという前に、この映画、公開前に、ちょっと待て、と言いたい。いや、見せるの止めなさい、というのじゃないよ。老爺心ながら、想定する観客層を、はっきり決めてないのではないかと心配になったのだ。これを見たところでは、主たるターゲットは、小学生に限定すべきだね。せいぜいオマケしても中学1年生の夏休み前まで。原作マンガを覗いた感じでは、絵柄とコマ割りで、高学年にも通じそうだが、実写の人物も、そのバカぶりも、そこまでいってないのだ。

  • 映画評論家

    上島春彦

    スポ根じゃない野球映画、というパターンも近年あるね、狙いは良好。いじめもなく、悪人がいないのもいい。得したのは選手より監督の方だったかも。だが友情賛歌というのは隠し味にしかならない類のものだろう。それの裏付けになるちゃんとした物語がないと、飽きる。とはいえ、救われるのはあくまで悪意のない「笑い」で話を進めていく構成にある。細かいエピソードの連鎖なので本来ならばもっとギャグがつまっていてほしかったところだが。先輩が優しすぎる、が怖いよりはいいよね。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    最近、プレスシートのプロダクション・ノートを読んでいると撮影日数の短さに驚くことが多い。本作もわずか6日である。にしては上出来じゃないかと思うものの微温的な笑いだけなので好き嫌いが分かれるだろう。子役出身俳優はテクニックを持っているだけに、このところ大化けした須賀が牽引し、同じく子役出身の小関が達者に切り返すので2人を眺めているだけで満足。殊に須賀は脇の時と違い、主役の時はリアクションで相手の芝居を膨らませるなど練達の技を駆使して楽しませる。

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