gifted/ギフテッドの映画専門家レビュー一覧
gifted/ギフテッド
「(500)日のサマー」のマーク・ウェブが手掛けたファミリードラマ。幼くして母を亡くした7歳の姪メアリーと、ささやかな日々を送る独身男のフランク。だが、メアリーの天才的な才能が明らかになったことから、2人の穏やかな生活が揺らぎ始める……。出演は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス、「世界の終り(未)」のマッケナ・グレイス、「アメイジング・ジャーニー 神の小屋より」のオクタヴィア・スペンサー。
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翻訳家
篠儀直子
天才の才能は誰のものか等、さまざまな論点を考えさせる物語。視線を合わせるか否かに気を配った繊細な演出が印象的で、登場人物が背負ってきたものを想像させる奥行きがあり、柔らかな画面も美しい。重大なネタバレを回避するためぼんやりした言い方になるが、数学の問題の証明は、発表後に相当長い検証期間があり、そのあいだ提起される疑義にすべて打ち勝ってようやく認められる(期間中に欠陥を指摘され、証明を取り下げた例もある)ということを、鑑賞前に知っておくとたぶん吉。
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映画監督
内藤誠
数学の才能は遺伝するものという想定のもとに、三代続いた天才一家の家族の物語を着想したトム・フリンの脚本がいい。天才少女をみごとに演じるマッケナ・グレイスの異様な才能を見ているうちに、「普通」の子に育てたいと願う叔父のクリス・エヴァンスの「健全な」行動がじれったく見えてくるように作劇されている。そこへリンゼイ・ダンカンの貫録充分な教育バアさんが登場してきて、てんやわんやとなる構成も巧い。天才教育、是か非か。トム・フリンはハリウッド調の結末をつけた。
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ライター
平田裕介
大作を手掛けるのは「アメイジング・スパイダーマン」2作で充分だとマーク・ウェブは思ったのか、たまにはキャプテン・アメリカの衣裳を脱ぎたいとクリス・エヴァンスは思ったのか。本心は定かでないが、そんな両者の気持ちを反映したかのような小品ドラマではある。テーマも悪くはないし、いい按配で人情味を利かしてはいるが、甘からず、辛からず、かといってとりたてて美味からずといったところ。子役の顔が作り物のような美しさで、このへんものめり込めなかった原因か。
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