ローガン・ラッキーの映画専門家レビュー一覧

ローガン・ラッキー

「オーシャンズ11」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグが4年ぶりに撮り上げた監督復帰作。不運続きのジミーとクライドのローガン兄弟は、爆破のプロで服役中のジョーを脱獄させ、全米が夢中になるNASCARレースの最中に売上金を盗み出そうと計画するが……。出演は「フォックスキャッチャー」のチャニング・テイタム、「パターソン」のアダム・ドライヴァー、「007」シリーズのダニエル・クレイグ、「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンク、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のライリー・キーオ、「黄金のアデーレ 名画の帰還」のケイティ・ホームズ、「エイリアン コヴェナント」のキャサリン・ウォーターストン、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」のセバスチャン・スタン。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    台詞の書き方もしゃれてるなかなかいい感じの脚本なので、いい感じで観ていられるけれど、もっとすっとぼけた演出のできる監督が撮った方が面白くなったのではないか。イケてる音楽が流れているのに、画面の方がまったく弾んでないことにも「あれー?」となる。ディープ・サウスというほど深い南部ではない南部の空気感と、NASCARの様子が見られるのが楽しいが、これももっと上手く見せられる監督がほかにいそう。D・クレイグはこんな演技もできるのかというのは嬉しい発見。

  • 映画監督

    内藤誠

    大金強奪の本筋に入る前に、強盗団の職業やきびしい日常生活をキメこまかく演出しているのは、さすがソダーバーグ。ローガン一家の兄チャニング・テイタムも現実感があり、イラク戦争で腕をなくした弟アダム・ドライヴァーのバーテンダーぶりもシブイ。爆破スペシャリストを演じるダニエル・クレイグはもうけ役。最後に登場するFBI捜査官ヒラリー・スワンクの使い方には驚いた。哀しい人生を送る強盗団ゆえ、何とかハッピーにと思うのだが、それをナチュラルに描くのは難しいものだ。

  • ライター

    平田裕介

    「オーシャンズ11」シリーズ同様、大胆不敵な犯罪計画がウソみたいにサクサクと進んでいくのを“そんなバカな!”と思いながら楽しむのがマナーとなっているタイプの作品。したがって一瞬たりともハラハラする箇所はなく、ケイパー・ムービーとして観るとかなりの物足りなさなのだが、悪運の呪縛から逃れようとする一家の葛藤と奔走を見つめたコメディと捉えれば意外とイケる。名前は知っているものの、まったく馴染みのなかったNASCARレースについていろいろ学べるのは◎。

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