スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネットの映画専門家レビュー一覧
スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット
1997年の実写版から続く「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズ第5弾となるアニメーション映画。突如、火星に昆虫型生命体“バグ”が侵攻。落ちこぼれの“はぐれ小隊”の訓練を担当していたジョニー・リコは、部下と共に死闘を繰り広げるが……。キャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤーがそれぞれ、実写版「スターシップ・トゥルーパーズ」と同じキャラクターの声を担当している。監督は、荒牧伸志(「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」)と「アップルシード アルファ」でCGディレクターを務めた松本勝が共同で担当。
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翻訳家
篠儀直子
実写と見まがうリアルなCGアニメーションで描かれるSF活劇。長期的な視座に立った判断や、理念や大義などではなく、ただ支持率の上昇だけを目標として外部に敵を捏造する自己愛モンスターの女性司令官が何よりコワい。彼女との対決を最後まで引っぱったりせず、残り3分の1の時点でほぼ決着させ、あとはバグとのバトルに注力するという構成は爽快。まるきりぽんこつだった小隊が、いきなりの実戦のなかで成長していくのは、既視感ありありの展開だけどやはり悪くないものです。
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映画監督
内藤誠
ヴァーホーヴェンの第1作では数量が多く個性のない外敵と戦うシーンが無気味だった。荒巻、松本両監督もその原点にかえり、トゥルーパーズが火星の砂漠をやってくるバグの大群と死闘を演じるシーンを見せ場にしている。火星が地球の植民地になっていて、歴戦の戦士ジョニー・リコはそこに左遷。一方、支持率を背景に地球ファーストを唱える女性司令官エイミー・スナップが地球をバグから守るために火星の破壊を主張するところなど、日米の政治家像を反映していて笑いをとるのだが。
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ライター
平田裕介
権力者の政治的取捨選択によって火星が見捨てられるという展開には前作「~インベイジョン」には皆無だったテーマ性やシニカルさを感じるものの、別にガツンと響くわけでもない。SFアクションと割り切って観てしまえば、「スターシップ・トゥルーパーズ」ミーツ「エイリアン2」チックな作品として楽しむことができるが、その程度は88分が88分に感じられるくらい。まぁ、ウリは実写版オリジナル・キャストのキャスパー・ヴァン・ディーンとディナ・メイヤーの声優参加くらいか。
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