劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命の映画専門家レビュー一覧
劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命
2008年より放映されている人気テレビドラマシリーズの10年の集大成となる劇場版。成田空港と東京湾・海ほたるで、未曽有の大事故が連続発生。救命センターのフライトドクター、藍沢と仲間たちに出動要請が入り、史上最悪の災害現場へとヘリで向かうのだが……。テレビシリーズを支えてきた山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介が集結。脚本を「ひるなかの流星」の安達奈緒子、音楽を「ALWAYS 三丁目の夕日」の佐藤直紀が務める。監督は、テレビ版で演出を担当した西浦正記。
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評論家
上野昻志
このテレビ・シリーズが、どれほど人気を集めたかは知らないが、初めのほうの、その視聴者に、見て見てといわんばかりの、人物紹介のせわしない撮影・編集には苛々させられた。それが過ぎると、今度は、余命わずかな末期癌患者の女性と恋人の、涙溢れるお話になるのだが、それも、どこかで見たような結末を迎えと、次々繰り出されるドラマが、いずれも、いかにもな人情話めいていて脱力する。まあ、救命医療に取りかかる医師や看護婦の動きがそれらしく見える点は、悪くないけれど。
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映画評論家
上島春彦
このシリーズを見るのが全く初めてで冒頭のキャラクター大量投入には面食らうしかなかったが、大丈夫すぐに慣れます。ほとんどがいわゆる「にぎやかし」であった。医者と看護師がヘリで事故現場に向かう緊急医療体制を描くというのは自然に了解できる。映画用に細かいエピソードが沢山用意されたが、そっちは普通。面白いのは主演陣それぞれの個人的事情の解決に限られる。十年分の集大成だし、それで良かったと思う。一番効いているのは最後のサプライズ、初見の私でさえ感動した。
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映画評論家
吉田伊知郎
TVシリーズ未見でも問題ない作りなので助かるが、結婚式を縦軸に置き、事件を盛り込みながら展開させていく構成が(モノローグを各キャラへ不要に振り分けるのを我慢すれば)良い。ただし、加算の度が過ぎ、次々と事件が起きすぎて登場人物が振り回され、山下智久に重大な事態が起きると、結婚式を控えた末期がん患者の扱いが途端にどうでもよくなってしまう。それにしても同じ服を纏うせいもあって戸田、新垣が細く見えすぎる。患者に手を貸すことすら覚束ない腕の細さに興醒め。
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