ザ・リング/リバースの映画専門家レビュー一覧

ザ・リング/リバース

「リング」シリーズ三度目のハリウッド版リメイク。“見ると必ず7日後に死ぬ”と言われる呪いのビデオを見てしまったジュリアは、恋人ホルトとともに呪いの謎を解き明かそうとするが……。監督は、「アルマゲドン・パニック」のF・ハビエル・グティエレス。出演は、新星マチルダ・ルッツ、「フィフス・ウェイブ」のアレックス・ロー、ドラマ『ビッグバン☆セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』のジョニー・ガレッキ。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    ホラー映画であることをとっとと諦めて、謎解きなどの別の面白さを追求しはじめる、みたいな映画。しかも途中からは、悪霊よりももっと怖いものがこの世にはある、みたいな展開に。しかし、大したことが起きてるわけでもないのにでかい音で無駄に怖がらせる(というよりも驚かす)やり方は、そろそろ禁じ手にしてもらえないものか。この映画の場合、画面がそこそこきちんと作られているだけになおさらそう思う。一方ヒロインは、無駄に泣きわめきもおびえもせず、かなりかっこいい。

  • 映画監督

    内藤誠

    パソコンやスマホで現実の奇怪な事件が起きているのに比例し、日本の作家を原作とするホラー・シリーズもテクノロジーを進歩させ、恐怖を加速化させている。見ると七日後に死ぬ呪いの映像も、荒れた画面と編集で迫力があり、恐怖の的である髪の長い少女はボニー・モーガンの身ぶりが不気味。元牧師役のヴィンセント・ドノフリオが巨体をゆすり、ヒロインのマチルダ・ルッツを追いつめるのも怖い。Jホラーがアメリカの風土に溶けこんでいて、このジャンルはこれからも続きそうだ。

  • ライター

    平田裕介

    ブラウン管から液晶へ、VHSから動画ファイルへ。さまざまなツールが軽薄短小になるのは非常に便利だが、それらを恐怖の媒介に用いると戦慄の度合いも軽く薄くなると痛感。薄型テレビから飛び出すサマラはまだしも、スマホから上半身をピョコンと覗かせる小さな彼女は可愛いらしくて簡単に倒せそう。さすがに作り手側もヤバイと思ったのか、終盤の見せ場にあてているのはサマラ誕生の根源となった人物との対決となっている。しかし、それも「ドント・ブリーズ」まんまで微妙。

1 - 3件表示/全3件