SUNNY 強い気持ち・強い愛の映画専門家レビュー一覧

SUNNY 強い気持ち・強い愛

韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」の日本版リメイク。90年代のヒット曲をふんだんに盛り込んだ。専業主婦の奈美はある日、高校時代の親友、芹香が末期がんに冒されていることを知り、当時の仲良しグループ“サニー”の仲間を再び集めようとするが……。出演は「北の桜守」の篠原涼子、「ラプラスの魔女」の広瀬すず、「空飛ぶタイヤ」の小池栄子、「PとJK」のともさかりえ。監督は「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」の大根仁。音楽を小室哲哉が担当している。
  • 評論家

    上野昻志

    広瀬すずが頑張っていたね。友だちの危難に、鞄を投げ出して息巻くところなんかは、ちょっと、やりように困っている感じではあったが。あと、いい大人になった彼女たちが、いまの温和しい女子高生たちを、この子たちは、何を楽しみに生きてるんだろう、という目で見るシーンが、今昔の落差を思わせて面白かった。ただ、芹香の病床に奈美が添い寝して語り合う、本作一番の泣かせ所の音声が、エコーがかかったようにくぐもって聞こえたのには、ガッカリ。録音・整音、しっかりしてよ!

  • 映画評論家

    上島春彦

    オリジナル版を見た時こういう日本映画があってもいい、と思ったものだが実現するとは。もちろん国と時代が変われば彩られる楽曲も変わる。オザケンが筒美京平と組んで放った名曲で「踊る」という趣向である。クライマックス、新旧メンバー・キャストがごっちゃになっちゃうダンス場面が最大の見どころ、私みたいな中年には懐かしさいっぱい也。ただ森田童子とか若い人にアピールするかな。コギャルには90年代うんざりだったが、こうやって大挙して出現するとシュールで凄いかも。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    女子高生に仮託したオヤジ目線の説教臭さが皆無なのは、90年代コギャル映画への回答と言うべきか。しかし、絶妙なセンスを見せたオリジナル版がほぼそのまま流用されるので、「SCOOP!」の様にアレンジャーとしての才を発揮する場所がない。表層的にディテールが入れ替えられただけなので「モテキ」の90年代サブカルへの批評的な視点がコギャル文化でも発揮されるのを期待すると物足りない。もっともそれには、あの時代の渋谷を巨大セットで再現しなければ不可能だが。

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