ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!の映画専門家レビュー一覧
ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!
リュック・ベッソンが製作と脚本を担当したアクション・エンターテインメント。1995年、紛争末期のサラエボ。マット率いる米軍の精鋭部隊ネイビーシールズの5人は、総額3億ドルにも及ぶナチスの金塊が湖に沈んでいると聞き、奪還作戦に挑むが……。出演は「300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~」サリヴァン・ステイプルトン、「ジャスティス・リーグ」のJ・K・シモンズ、「ブレードランナー2049」のシルヴィア・ホークス。メガホンを取ったのは、「イントゥ・ザ・ストーム」のスティーヴン・クエイル。
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翻訳家
篠儀直子
あのむごたらしいユーゴ紛争が娯楽映画の背景になる日が来たのかという複雑な感慨はさておき、E・セラの勇壮な音楽は、戦争冒険活劇の気分をがぜん盛り立てる。でも冒頭の戦車アクションのド派手さに、ストーリーからしてこの先これを超える見せ場はないはずだと心配になるが、水中にただようパラシュートの橙色、水に触れて散る画布など、審美的な画面の魅力が観る者の興味をつなぐ。もはや彼自身で一ジャンルであるとさえ言えるJ・K・シモンズが、映画全体をかっさらうオモロさ。
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映画監督
内藤誠
またもやナチスの隠匿した大金塊を奪還するネタだが、舞台は95年、ボスニア戦争の最中で、アメリカのネイビーシールズが活躍する物語になっている。リュック・ベッソンが製作にかみ、ジェームス・キャメロンと共に働いたスティーヴン・クォーレ監督の職人的な腕は確かで、水没した都市の水中撮影などはさすが。畳みかけるようなサスペンスの構成とネイビーシールズのチームワーク、その技術の見せ方も巧妙だ。彼らの上官にJ・K・シモンズを配役して渋い笑いと涙をとったのも、秀逸。
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ライター
平田裕介
早い話が、特殊部隊版「戦略大作戦」or「スリー・キングス」。装備、技術、経験、度胸すべてが半端ではないネイビー・シールズがトレジャー・ハンティングに向いているというアイデアは、バカバカしくも妙に納得してしまう。後半は水中での右往左往がメインになってしまうのでドンパチはほとんどナシ。そのぶん、アバンタイトルでは戦車を使ったチェイスを繰り出してくれ、興奮と派手な見せ場の帳尻を合わせている。人情味満点なオチも◎で、L・ベッソン脚本作はハズレが少ないと痛感。
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