ヴァレリアン 千の惑星の救世主の映画専門家レビュー一覧
ヴァレリアン 千の惑星の救世主
リュック・ベッソンが名作コミック『ヴァレリアンとローレリーヌ』を映画化したSF超大作。西暦2740年。宇宙の平和を守る連邦捜査官ヴァレリアンとローレリーヌは、あらゆる種族が共存する“千の惑星の都市” アルファ宇宙ステーションを訪れるが……。出演は「アメイジング・スパイダーマン2」のデイン・デハーン、「スーサイド・スクワッド」のカーラ・デルヴィーニュ、「ラスト・ナイツ」のクライヴ・オーウェン。
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翻訳家
篠儀直子
L・ベッソン版のスター・ウォーズと言いたくなるが、むしろこれの原作のほうがスター・ウォーズに影響を与えているそうで。そしてこちらの作品のヴィジュアルは、ハリウッドSFではなくまさにバンド・デシネ。何だか寄り道の多い映画だけれど、その寄り道の過程ですごく魅力的な異星人や目の眩むような素晴らしいイメージが次々登場するわけだから、その寄り道こそを楽しみたい。異星人たちに食われてる感があるものの主演の男女も可愛い。親子で一緒に観るのがたぶんいちばん正解。
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映画監督
内藤誠
ベッソン監督は原作のコミックによほど熱中していたらしく惑星都市のディテールやそこに住む生きもののキャラクターが贅沢に仕上がっている。原画のイメージに合っていないとファンは失望するのだが、その点、ヴァレリアン役のデイン・デハーンとローレリーヌ役のカーラ・デルヴィーニュはぴったり。ジャズのハービー・ハンコックが国防長官役で出てきたのには驚いたが、リアーナがポールダンスを踊るのも魅力的。ベッソンのこだわりがこういう所にもあり、ポップアートとして楽しい。
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ライター
平田裕介
大味なのがベッソンの持ち味。そんな固定観念を捨てて観たつもりだが、やはり弛緩したアクションとギャグが延々とダラダラと続く。悪人がロープで吊るされて文字通り“お縄にかけられる”シーンには、いくらバンド・デシネが原作だからといっても漫画すぎるだろと脱力。だが、女優の魅力を存分に引き出すというもうひとつの持ち味は存分に発揮されており、あらゆる角度からデルヴィーニュ嬢のキュートさを捉えているのは素晴らしい。ゆえに、彼女を鑑賞するための作品と思えばイケる。
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