メイズ・ランナー:最期の迷宮の映画専門家レビュー一覧

メイズ・ランナー:最期の迷宮

ジェイムズ・ダシュナー原作のサバイバル・アクションシリーズ3部作完結編。3年もの歳月を費やし、巨大迷路から脱出したトーマスたち。囚われた仲間ミンホを救い、自分たちが閉じ込められた理由を解明するため、難攻不落の迷路に逆侵入することを決断する。監督は、シリーズ全作を手掛けるウェス・ボール。出演は、「バーニング・オーシャン」のディラン・オブライエン、「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のカヤ・スコデラーリオ、「ラブ・アクチュアリー」のトーマス・ブロディ=サングスター、「プリズン・エクスペリメント」のキー・ホン・リー、「しあわせへのまわり道」のパトリシア・クラークソン、「アリタ:バトル・エンジェル」のロサ・サラザール。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    ゾンビ映画とかディザスター映画とか、たぶんコメディとミステリー以外全部のジャンルの要素が入っているのじゃないかという「全部載せ」的贅沢さでがんがん盛り上げ、シリーズを思い残すところなく完結させる。「迷路を走る」モチーフが、ちゃんと何度か出てくる律儀さもあり。各画面を彩るプロダクション・デザイン、特に都市部の美しさが何と言っても魅力だが、荒野で展開される冒頭の列車襲撃シーンも、どうやって撮ったのかと驚嘆させられるキャメラワークがあって見逃せない。

  • 映画監督

    内藤誠

    ほぼ同時期に主演映画「アメリカン・アサシン」が日本でも公開されるディラン・オブライエンはメイズ・ランナー・シリーズの最終篇でも、誠実そうなマスクで、アクションに気合いが入っている。舞台はガラスと鋼鉄の世界「ラスト・シティ」で、造形がいい。そこに住むエリート階級は、人類を襲う病気からの感染を防ぐための人体実験を繰り返し、貧民を寄せ付けないための壁を造っている。なにやら人類の悪しき未来図として暗示的で、悪のキャラクターもやけに具体的で不気味だった。

  • ライター

    平田裕介

    第一作が“脱出”を描いた作品とすれば、この第三作は“侵入”を主眼に置いている。しかし、劇中でやたらと侵入不可能と謳われる都市“ラスト・シティ”とそのなかにある敵の本拠地に何度も出入りするのでしらける。巨大迷路からの脱出にあれだけ難儀し、それがウリでもあったわけだから、今回もそうすることで物語が盛り上がるはずなのだが。とりあえず派手なアクションが続くし、各キャラクターが抱える因縁なども収束させているので、なんだかんだで最後まで観てしまう。

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