アリータ:バトル・エンジェルの映画専門家レビュー一覧
アリータ:バトル・エンジェル
木城ゆきと原作の漫画『銃夢』を「アバター」のジェームズ・キャメロン製作・脚本で実写化。数百年後の未来、すべての記憶を失った状態で発見されたサイボーグの少女アリータ。あるとき、自分の並外れた戦闘能力に気づくと、自らの出生の秘密を探す旅に出る。監督は、「シン・シティ」シリーズのロバート・ロドリゲス。出演は、「メイズ・ランナー:最期の迷宮」のローサ・サラザール、「ジャンゴ 繋がれざる者」のクリストフ・ヴァルツ、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー、「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。
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翻訳家
篠儀直子
日本の漫画やアニメで見るような「デカ目」が、チコちゃん方式(たぶん)で実現。でもチコちゃんより表情が乏しく思えるのは、サイボーグだからで済ませてしまっていいのかな。語りの視点をいちいち移動させ、事態をあらゆる面から説明しているのが、この映画の場合あだをなしているようで、上映時間が異様に長く感じる。エピソードを削るか、視点を絞るかしたほうがよかったのでは。「アクアマン」のW・デフォーに続き、クリストフ・ヴァルツの演じるおじさんがとてもチャーミング。
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映画監督
内藤誠
木城ゆきとの原作をジェームズ・キャメロンが製作・脚本したということで大いに期待。サイバー医師のクリストフ・ヴァルツ(好演)が、クズ鉄町アイアン・シティのゴミ捨て場からサイボーグ少女アリータの首を拾い、治療のために持ち帰ったときは、ローサ・サラザールの人形みたいに大きな目を見ながら、この先どうなることかと心配したけれど、奇怪なサイボーグたちを相手にした彼女のアクションが始まると、たちまち感情移入。舞台美術が実にいいので、都市ザレムのディテールも見たい。
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ライター
平田裕介
ピグマリオンコンプレックスを喚起させるようでさせない、ギリギリの妖しさを放つアリータの造形が素晴らしい。ボーイ・ミーツ・ガールとビルドゥングスロマンの王道をゆく内容で、彼女がこれまた天真爛漫なものだからその行方に一喜一憂してしまう。人間ではなくてサイボーグならおとがめなしだろうと、人体破損ならぬ機体破損がいちいちエグいのも素晴らしい。ただ、舞台となるアイアンシティが意外と楽しそうな街として描かれており、物語の核にもなる天空都市の存在が希薄に。
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