トレイン・ミッションの映画専門家レビュー一覧

トレイン・ミッション

「ラン・オールナイト」以来となる主演リーアム・ニーソン×監督ジャウム・コレット=セラのサスペンス・アクション。会社をリストラされた60歳のマイケルは、帰宅途中の電車の中で、乗客の中からある人物を見つけてほしいと見知らぬ女から持ちかけられる。出演は、「ディパーテッド」のヴェラ・ファーミガ、「オペラ座の怪人」のパトリック・ウィルソン、「マイティ・ソー バトルロイヤル」のサム・ニール、「タイタンの戦い」のエリザベス・マクガヴァン、「ビバリーヒルズ・コップ」のジョナサン・バンクス、ドラマ『女刑事マーチェラ』のフローレンス・ピュー。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    オリエント急行でも釜山行きの超特急でもない、ごく日常的で平凡な通勤列車が、スリル満点のミステリーアクションの舞台に。このストーリーだと、謎の女が主人公をミッションに引きこむシーンを説得的かつ魅力的に描けるかどうかがまず第一の難所だが、そこをクリアしてからはもう一気呵成。ちりばめられたミスリードも嫌みなくて気持ちよくだまされ、列車の特徴を活かしたあれやこれやのアクションにも大満足。乗客一人ひとりの人生を垣間見る各瞬間のニーソンの表情も味わい深い。

  • 映画監督

    内藤誠

    保険会社をリストラされたばかりのリーアム・ニーソンが家族のためによれよれになるまで大暴れするのが切ないサスペンス。ニューヨークの通勤列車が舞台で、職業も人種も雑多な人たちが乗り合わせていて、誰もが怪しい人物に見えるのが面白い。悪の張本人は今ではお決まりの官僚組織だが、その巨大勢力を背景にしないと、列車内の仕掛けやクライマックスの転覆事故に説得力が生まれないのだろう。ニューヨーク・ロケはしていないのにセット撮影で臨場感はあり、演出の切れ味もいい。

  • ライター

    平田裕介

    “見知らぬ乗客”から“見知らぬ乗客探し”を持ち掛けられるのをはじめ、ヒッチコック映画における列車の絡んだアレコレを詰め込んでいることにまずはニヤリ。車内でL・ニーソンが繰り広げる活躍はS・セガールの「暴走特急」レベル並で結構とんでもなかったりするのだが、いかなる状況でも通勤カバンを肩掛けしている“お父さん感”がそれらをいい塩梅で相殺している。輝ける場所を失った壮年期男性の切なさが物語に効いているのも◎。とにかく、この監督&主演コンビに外れなし。

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