スカイスクレイパーの映画専門家レビュー一覧
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翻訳家
篠儀直子
「セントラル・インテリジェンス」の監督はこういうものも撮れるのかと、最後まで口あんぐり状態で観た。実際にこんな火災に装備なしで飛びこんだら、熱さと有毒ガスでどうにもならないと思うが、そんな考えはいったん忘れるのが吉。人物設定はまるで違うが、「タワーリング・インフェルノ」の勇敢なジェニファー・ジョーンズの姿がおおいにだぶるネーヴ・キャンベルが、予想以上の大活躍。序盤で予想されるとおり「鏡の間」で展開されるクライマックスも、予想を超える壮麗な演出。
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映画監督
内藤誠
ことしは「ジュマンジ」「ランペイジ」とドウェイン・ジョンソンの当たり年で、この作品も彼のアクション場面の連続だが、期待するのはやはり彼の活躍する超高層ビル「ザ・パール」が香港の街の空高く出現する瞬間である。異様な建築物を目にすると、内部はどうなっているかと細かく知りたくなるが、物語はその建物の権益をめぐる争いやビル火災、ジョンソンと妻ネーヴ・キャンベルが家族を守るための必死の闘いへと移っていく。面白そうにビルの方を見物する香港市民たちがおかしい。
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ライター
平田裕介
穴だらけというか、ネジが締まっていないというか……そんな脚本ではあることは間違いない。主人公が義足であることを弱点にも利点にもしようと試みているが、最もそれが活かせるはずのシーンで活かせていなかったりと語ればきりがない。だが、そんな穴や締まりの悪さを無理矢理になんとかしてしまうのがD・ジョンソン。クレーンから燃え盛るビルへジャンプし、壁面にしがみついたりぶら下がるイケイケガンガンな姿に引っ張られるうちにすべてがどうでも良くなってくるのである。
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