キリング・ガンサーの映画専門家レビュー一覧

キリング・ガンサー

アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション・コメディ。幾多の暗殺を遂行しながらその正体は謎に包まれている伝説の殺し屋“ガンサー”。新進気鋭のヒットマンであるブレイクはガンサーを殺して世界最強の座を手にするため、殺し屋チームを結成する。監督・脚本・出演は、「テッド2」出演のコメディアン、タラン・キラム。他に出演は、「アベンジャーズ」シリーズのコビー・スマルダーズ、「ペット」のボビー・モナハン、「オールド・ボーイ」のハンナ・シモーヌ。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    迫り来る個性豊かな暗殺者たちを、殺し屋シュワルツェネッガーがコメディ風味を交えつつ、超人的能力で返り討ちにしまくる姿を描く映画かと思ったら、彼はある種「空虚な中心」であって、周囲を殺し屋たちが右往左往し、その過程で暗殺呼びかけ人の抱えていたあれこれが明らかになる話だった。要素を一個ずつ取り出して見ればどれもすごく面白くできそうなのに、結局消化不良な印象が残る。モキュメンタリー仕立てで、ふたつの撮影クルーが鉢合わせする場面が画的にいちばんオモロイ。

  • 映画監督

    内藤誠

    元カリフォルニア州知事のシュワルツェネッガーが世界最強の殺し屋ということで、そんな彼を暗殺して、そのドキュキメンタリー映画を制作しようという発想は、いかにもB級映画らしくて、黄金期のジャンル映画を期待してしまう。遊びの感覚もあるのだが、カメラをイージーに振り回しているうちに物語もデタラメになって、ようやく出てきたシュワルツェネッガーのセリフがふざけ過ぎ。楽屋オチの冗談まで使ったギャグで、なんとか笑わせようとするタラン・キラムがノーテンキに見える。

  • ライター

    平田裕介

    殺し屋をめぐるモキュメントとなっており、つい「ありふれた事件」を思い出した。同作を意識しているわけがないが、こちらは完全にコメディとなっている。しかし、殺し屋たちの珍妙なやりとりやガンサーに翻弄される姿を笑いに繋げたいのだろうが空回り気味。売れない芸人が集まって滑りまくっているさまを見せつけられているようで辛くなる瞬間が多々ある。といいつつもハッとするような長回しのドンパチや爆破もあり、楽しそうに出演しているシュワルツェネッガーが拝めるのは◎。

1 - 3件表示/全3件