アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニングの映画専門家レビュー一覧
アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング
アメリカの人気コメディエンヌ、エイミー・シューマー主演のコメディ。自分の容姿にコンプレックスがあり何事にも消極的なレネーは、ジムで頭を打って気を失ってしまう。目を覚ますと、絶世の美女に変身したと思い込み、超絶ポジティブな性格に生まれ変わる。出演は、「グレイテスト・ショーマン」のミシェル・ウィリアムズ。監督は、「バレンタインデー」脚本のアビー・コーン とマーク・シルヴァースタイン。
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翻訳家
篠儀直子
たわいないコメディに見えるかもだが、身につまされて泣かされる。人はひとりひとり違うのに、見てわかりやすい属性とか外見的特徴とかから勝手にステレオタイプに当てはめて、人格を決めつけることの愚劣さがよくわかる。そして「あなたの尊厳を誰にも奪わせないで!」という力強いメッセージ。声が変だと気にするエイヴリーも、職場のマッチョさになじめないイーサンも、群がる女たちの誰も本当の自分を見てくれてはいないのだと悩むグラントも、どのキャラクターもみんな愛おしい。
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映画監督
内藤誠
太りすぎの容姿で自分に自信が持てないエイミー・シューマーがスリムになろうとジムに通い、転倒して頭を打ったあげく、自分を美女だと思いこむ。実際、エイミーは美しく見えるので、入れ替わりのドタバタ喜劇を期待していると、物語はエイミーの独り舞台による、説教くさい流れになって、ビキニ・コンテストの場面なども意外にはじけない。彼女は中華街地下の小部屋に勤めつつ、ニューヨークの高級オフイスに憧れているのだが、その上昇志向が見ているうちに平凡すぎてハナにつく。
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ライター
平田裕介
美女に変身したと思い込むヒロイン。彼女の視点などを通して、そうなった画を見せてくれそうなものだが一切ナシ。従ってこちらが目にする彼女は終始プレーンのままだが、それでも劣等感全開よりもキラキラ感全開のほうが魅力的。視覚的にも“中身が重要”というテーマを伝えていく仕掛けが巧い。美醜に翻弄される女性の苦悩を練り込んだギャグと台詞、あえてモデルも配したキャスティングも◎だが、ワケあり然としながらいまいち弾けない化粧品会社オーナーの一家がもったいない。
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