ルイスと不思議の時計の映画専門家レビュー一覧
ルイスと不思議の時計
ジョン・ベレアーズのファンタジー小説を豪華キャストで映画化。両親を亡くし、伯父ジョナサンの屋敷で暮らし始めた少年ルイス。やがて、屋敷に世界を破滅に導く時計が隠されていることを知り、実は魔法使いだったジョナサンたちと共にその謎に挑むが……。出演は「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」のジャック・ブラック、「オーシャンズ8」のケイト・ブランシェット。監督は「デス・ウィッシュ」のイーライ・ロス。
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翻訳家
篠儀直子
子ども時代の夢が具現化したかのようなストーリーだから子どもたちに見せたいところだが、そこはイーライ・ロスだからか、夢で見て(大人も?)うなされそうな画面があちこちに。ジャック・ブラックがどこかオーソン・ウェルズ(実際にマジシャンだった人)っぽく見えるのが興味深く、そういえばウェルズには、「カリ城」に先立つ時計塔アクションのある監督作が存在するのだった。ケイト・ブランシェットがきりりと魅力的。わんこっぽい椅子も、エンドクレジットのイラストも可愛い。
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映画監督
内藤誠
アマゾンの食人族を素材にした、イーライ・ロス監督の「グリーン・インフェルノ」には高点をつけたので、彼が魔法使いを描くとなれば、怪奇な場面の連続かと思ったが、少年を主人公にした児童向け作品の仕上がり。ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの魔法使いコンビは芸が達者で笑わせるし、小道具や装置もしっかりしている。惜しむらくは脚本構成にメリハリがないから、流れになかなか乗れない。カイル・マクラクランやブランシェットをもっと怖くするとか、工夫が必要。
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ライター
平田裕介
アンブリンのロゴの後にイーライ・ロスの名が。そして中身は児童文学が原作のファンタジー。その意外な組み合わせに驚き、「こういうのも撮れるんだ」と妙な感動に襲われた。中身も誰もが楽しめるファミリー向けに仕上がっており、胡散臭い魔法使いに扮したJ・ブラックのハマり具合、彼とC・ブランシェットの掛け合いも楽しいうえにゴシックとラグジュアリーがいい塩梅で交じった屋敷内の美術も◎。襲い来るカボチャを倒すと、中身が脳漿や膿のように飛び散るのはロスならでは。
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