夢こそは、あなたの生きる未来の映画専門家レビュー一覧
夢こそは、あなたの生きる未来
日本で最も歴史あるミスコンテスト『ミス日本コンテスト』に挑む女性たちを追ったドキュメンタリー。ファイナリスト13人がグランプリをかけて切磋琢磨しながら本選に臨むまでと、受賞後の1年間に密着。華やかさの裏にあるそれぞれの女性たちの生き方を映す。監督は、数々のCMやweb動画を手がけてきた小野篤史。製作総指揮は「世界を変えなかった不確かな罪」の飯塚冬酒。
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評論家
上野昻志
ミスコンテストに応募した女性たちを追ったドキュメンタリー。彼女たちをはじめ、ミスコンOG、主催者、審査委員などへのインタビューが中心で、後半は、コンテストで選ばれた人たちの活動にも焦点が当てられるのだが、かろうじて記憶に残るのは、何か答えようとしながら適当な言葉が見つからず考えこむミスの姿ぐらい。インタビュー中心のドキュメンタリーでも、人物の存在が丸ごと浮かび上がってくる作品はあるのだが、これは空っぽ。それは、対象の問題というよりは撮る側の問題だろう。
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映画評論家
上島春彦
美人コンテストの記録映画ってどうよ、と普通の人間なら思うであろう。でも正直、裏側がこういうことになってるとは知らなんだ。いや私が裏だ表だと勝手に言ってるだけで、彼女達にはこうした勉強会や奉仕団みたいな活動こそが「ミス」の意義なのだ。一見の価値あり。もっとも、これは公式的な活動報告を兼ねており、そういう意味では本音を抑えた建前的な作品。悪い意味でなくPR映画ということか。こうして眺めると皆さん、普通の女の子でいらっしゃる。そりゃそうか、素人だもん。
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映画評論家
吉田伊知郎
事前に何を撮るかを申請し、モデルに話しかけることも禁じられた不自由な撮影だったようだが、アイドルでも事情は変わるまい。実際、インタビューは誰もが装飾された公式発言をするだけで空疎極まりない。ふと見せる仕草や表情、置かれた物に表層から読み取れないものを探るが何もない。わずかに高校生の参加者がレッスン中や舞台上の気張った表情とは違う等身大の表情をインタビューで見せた程度。極上の食材が調理場に並んでも、火も香辛料も使えないと作れるものは限られる。
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