TAXi ダイヤモンド・ミッションの映画専門家レビュー一覧
TAXi ダイヤモンド・ミッション
リュック・ベッソン製作・脚本のカー・アクション「TAXi」シリーズ第5弾。マルセイユに左遷されたスピード狂の警官マロは、伝説のタクシードライバー、ダニエルの甥エディと組み、世界最大のダイヤモンドをめぐってイタリア強盗団と攻防を繰り広げる。「レイジング・ドッグス」(未)のフランク・ガスタンビドとフランスのコメディアン、マリク・ベンタルハが企画・製作し、ベルナール・ファルシーのほか主要キャストを刷新。フランク・ガスタンビドは監督を務めるほか、卓越したドライビングテクニックを持つ警官マロを、彼とバディを組む間抜けなエディをマリク・ベンタルハが演じる。
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翻訳家
篠儀直子
下ネタありのお下劣コメディ映画の系譜というのが確かにフランスにはあるのだが、語りのアイディアや間合い、編集のリズム等が笑いを引き出す要素になっていれば、笑いの感覚がフランスと異なる日本でも、結構喜ばれたりする。でも、この映画の前半のように、役者たちのくどい演技にもっぱら頼るのでは、生理的にまったく受けつけない人もたくさん出てきそう。ばかキャラばかりが出てくるせいで余計にそう思うのかもしれないけれど、主人公の恋の相手になる女性整備工がかっこいい。
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映画監督
内藤誠
オリヴィエ・プリオルの『美女と拳銃』(中条省平、志穂訳)によると、リュック・ベッソンは後輩に対し面倒見がいい人物だが、この作品も「TAXi」シリーズを少年時代に見たF・ガスタンビドとM・ベンタルハのコンビがベッソンの協力のもとに仕上げた作品らしく、アクションの仕掛けや、いささか下品なギャグまで含めてベッソン流である。舞台をマルセーユにしたところが効果的で、おなじみベルナール・ファルシーが名物署長から市長に転じて、いきいきと演じているのも笑わせる。
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ライター
平田裕介
リブートだと思い込んでいた10年ぶりの新作だが、主人公コンビの片方にダニエルの甥を引っ張り出すことでかろうじて本線維持。彼が叔父とは真逆のダメ男で、旧4作におけるエミリアンの役割を担うのが面白い。とはいえギャグはベタベタ、奇人変人揃いのキャラを活かし切れていないのは相変わらず。あのプジョー改造タクシーも登場、インパネのタッチパネル化などの今風のバージョンアップを期待したがタブレットを付けた程度でガッカリ。新主人公の片方、F・ガスタンビドゥは◎。
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