マイル22の映画専門家レビュー一覧
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翻訳家
篠儀直子
続篇製作が前提になっているのか、主人公の設定も組織の設定も、いきなり「全部載せ」の過剰な状態で提示される。盛り沢山なこと自体は別に悪いことではないのだが、カット割りが滅茶苦茶せわしないのも手伝って、面白い要素しか出てこないのに全部消化不良、という印象を受けてしまう。あと、ボゴタを東南アジアに見立てて撮影しているけれど、やっぱり南米にしか見えないのはどうしたものか。最高にかっこいい儲け役はイコ・ウワイスで、特に医務室での素晴らしい格闘シーンは必見。
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映画監督
内藤誠
マーク・ウォールバーグひきいるCIA機密特殊部隊がアメリカ東海岸の町でロシア諜報部を相手に秘密作戦を敢行するところから始まるのだが、構成はいつのまにか複雑化し、架空の国インドカーが舞台になって、盗まれたセシウムをめぐり、当地の警官イコ・ウワイスを無事アメリカへ亡命させるミッションへと物語が切りかわる。二つの話はつながっているのだけれど、その間に様々な武器を使った銃撃戦やイコの格闘技が入り、カメラも多面的にショットを重ねるので、筋を追うのがたいへん。
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ライター
平田裕介
やはり、ピーター・バーグも「ガントレット」「16ブロック」みたいな“護送もの”を撮りたかったのだなと当初はホクホク。大使館、市街地、店舗など場所をめまぐるしく移動、刺客たちとの攻防も銃撃、爆破、格闘、爆撃と多種多彩で飽きさせないのは立派だが、最も戦いが派手に行われるのが高層アパート。で、イコ・ウワイスも出演なわけで「ザ・レイド」を撮りたかったのかと気づいた。そこで留めればいいのに、色気を出してさほど仰天しないどんでん返しを入れ込んだせいでちょい醒め。
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